rui★ginkoの.................2003.08.10-31

★この日記は才能もないままいろいろな事に手を出している僕が時々書く記録です。
 執筆は演劇関係役者担当涙 銀子.戯曲演出担当るいぎんこ.そして音楽担当rui★ginko.広告業界担当ルイギンコ
     イベント業界担当吉田さんその他の分野担当ルイギンがお送りする何ら意味のない世界です。
     不定期更新か三日坊主。そこんとこヨロシク!

    ★カレンダーのタイトルのところをクリックすると、その日の日記に飛べます!
      飛べない人はごめんなさい。もうすぐ直します。

2003.08
Sun. Mon. Tue. Wed. Thu. Fri. Sat.
10 11 12 ウィステリアを推理する・2 真相混迷編 13 ウィステリアを推理する・3 解決予告編 14 15 座右の銘を胸に抱いて 16 増殖するrui★ginko
17 18 19 20 21 22 マル一昼夜電視台・シコミ 23 マル一昼夜電視台・ショニチ
24 マル一昼夜電視台・ラクビ&バラシ 25 26 27 28 29 エキサイティング・ナイトin PECKER! 30 照和伝説〜灼熱の夏、蘇る!
31ドラ○もん〜憧れとの出会いvol.1            

★2003.07の日記はこちら>>>Go!(07.25-26 日記「板取村は大騒ぎ」はもうすぐUP!)
★2003.08.01-10の日記はこちら>>>Go!
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★2003.09.01-13の日記はこちら>>>Go!

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2003.08.12

■難事件担当 
名探偵 銀子一耕助

Tue.

ウィステリアを推理する・2 真相混迷編

お待たせしたね、銀子一です。え?ギンコ・・・イチ。そう。

ああ、かの名探偵 金田一君とは親交が深いよ、うん。今でも時々文通 をしているね。
八ツ墓村には実は私も同行したんだ。いやあ、無気味だったねぇ、あの村は。
今、思い出してもゾッとする。村人の心が暗かったね。
お互いに陰口をたたきあってるんだ「ヤツは馬鹿だ。奴こそ莫迦だ」と・・・・まあ、
説明するのが嫌になるほど、ベタなネタですまないがね。

私ほどの探偵になると世界中の名探偵と交流があるからねエ。
あのイギリスの名探偵、ホームズ君ともよく知恵比べをしたものだ。
「踊る人形事件」の時に私は犯人は振付師ではないかと推理し、パ○イ○鈴○氏に尋問
をおこなったが彼はシロだった。
あれ以来、犯人は見つからず。未だ、あの事件は迷宮に迷い込んだまま・・・・・えっ?
もう解決してる?あ、あっはっは・・・そ、そうか。良くやったねえ、ホームズ君も。

うん勿論、ポワロ君やミス・マープルという大御所ともパーティーの席上でよく顔をあ
わせるよ。コロンボ、クルーゾー、銭形などの警察関係にも友好的な紳士が多い。
日本人探偵としては先ほどの金田一君と一二位を争う名探偵明智小五郎君とも親しい。
どうだい?みんな本物だよ。彼等のサインが欲しくなるだろう?
ふっふっふ・・・無理だね。私だからこそ許される交友なのだから・・・でも、もしも、
なっちの本物のサインとなら、コロンボと銭形警部のサイン二枚セットと交換してやっ
てもいいよ。もしも、もしも・・・本人に会わせてくれるなら、おまけで銭形平次のサ
インもつけよう。なんなら私だって平次親分本人に会わせてあげると約束してもいいよぉ!
・・・・・・・・・・えと・・・さて・・・思わずヒートアップしたトークをクールに
カームダウンして今日の本題に入るとするかね。

 

ウィステリア・・・2003/07/31 (木) 00:29。私の友人rui★ginko氏のWebページの
掲示板に書き込みを残す謎の人物。奇妙なカウントダウンを行う無気味な存在。

これが前回までのあらすじである。
二行で終わった事にいささかショックを受けている。
私の話が長いだけで、中身がいかに無いかと言う証明になってしまうのではないか?
ruiのMCトークと同じである。

・・・大丈夫だ。気を取り直して行こう。
前回、依頼人ruiの知り合いすべての人物に聞き込みをおこなった。
しかし、その中に「ウィステリア」なる人物とそのカウントダウンに
心当たりのある人物は存在しなかった。
今夜はその後の私の捜査の進展を語る事としよう。

その夜、私は小鼻から目尻にかけて丹念にマッサージをした。
それはともかく聞き込みの結果が芳しくないと思う私は、再度、書き込みされたメッセ
ージを注意して検証する事にした。迷った時はスタートに戻れ、である。

1・「多分ruiさんには、私が誰であるかは、わかっているでしょう」
 
  ruiはこの時点で解ってはいなかった。
    しかし「ウィステリア」のほうはruiを知っている。

2・「お久しぶりです。」
    一度以上合った事のある人物である。
    面識がある。でも、最近ではない。久し振りなのだから。

3・「とりあえず私もひとことだけ。あと、39日・・・」
    これだ。これが解らない。ん?待てよ。おおっ!
    という感じで、その時、私は閃いたのだ!あと39日とは
   
カレンダーの何日を差すのだろう!・・・と。え?遅い?
    ・・・だってruiもこの書き込みの無気味さに、最初から全然、何日の事なのか
    計算もできなくて、ただ「恐いよ〜」と泣いていただったんだよ。彼よりほん
    のちょっぴり先に気付いた私は・・・やはりクールである。
   さて、その 問題の日とは・・・2003年9月7日(日曜日)である!
    ・・・この日だ!この一日だっ!この日曜日が・・・
    ・・・いったい何の日なのだろう?

国民の休日に詳しくない私には見当がつかない。
また新しい休日が政府で認定されたのだろうか?
9と7、だから・・・何?クシチ? タヒチの隣の島?
日本が友好関係でも結んだ記念日なのだろうか?
いや、クシチ・・・ヤシチのバージョンアップ版? そか!水戸黄門か。
風車のヤシチの兄貴分が始めてブラウン管に登場した日!
さすが「水戸黄門」は国民的ドラマ!・・・と盛り上げてみても全然説得力がなかった
し・・・。 何なんだ、いったい?

誰も心当たりはないと言う・・・。 駄目だ。このままじゃ。
行き場を失う迷路の洞窟への入り口が見える。このまま迷宮に迷い込むのか私は・・・
・・・中学時代の、あの時のように。
あの、中島さんの消しゴム事件の時のように(前回、8月7日の日記参照)

私は、名探偵 銀子一耕助だ・・・。解けない謎は、無い。
自分に言い聞かせ私は目先を変えた・・・名前。「ウィステリア」
・・・女性のような名前。 そうか!女性だったのか!ふっふっふ・・・とうとう手が
かりを掴んだぞ! この手がかりで、もはや私は犯人の可能性のある人物像を
世界人口の半分の数字にまで追い詰めたわけだ。
一気に容疑者の数を半数まで絞り込んだのだ!
意気揚々と私は「ウィステリア」に挑戦状を突き付けた!
2003/08/01 (金) 00:04。書き込みを行った!

「君は女性だね?」

2003/08/03 (日) 22:17。返信が来た。
「ウィステリアというだけで女性と考えるのは安易だとは思いませんか?」
・・・違うのか?

一気に容疑者の数が倍に膨れ上がってしまった。

・・・・・しばらく寝込んだ。追い討ちをかけるかのように皮肉な言葉。
「そんなことでは私立探偵はまだまだだと思います。」
泣きそうな気持ちをまぎらすために風呂でリンスした。
それはともかく、私は新しく「ウィステリア」から届いた書き込みを分析しはじめた。

「こんな事を書いているとなんかRUIさんをいじめているみたいですが、
実は尊敬をしております。」
こいつはおかしい。ruiは尊敬できる人物では無い。

「こんなにも多才の方は見たことがございません」
こんなにもダサイ方は見た事はありません、の誤変換だと思われる。

「初めてあった時は・・・なんとも言えないくらい可愛かった。
それがなんと吉田さんだったのです。(驚)」
可愛かった?・・・こいつはやはりおかしい。
ruiが可愛かったのは二十歳までだ。
信じられない事だがときどき女性に間違われる事はあった。
髪が長くうつむき加減でいる事が多かったからである。

一度、東海TVの前をruiが歩いていた時にばたばたと何人かが走って来て、
ruiの顔をじっと確認した後、無言で帰って行った事がある。
何だ?と思っていると今度は肩を誰かにトントンとたたかれた。
不審に思って振り向いたruiの目の前に笑福亭鶴瓶氏が立っていた。
肩をたたいたのは彼だった。
ruiが驚いて彼の顔を見上げていると鶴瓶さんは言ったのだ。
「お前、男やろ?」
「はい」
「ほれ見ぃ。あのな、お前が俺達の前、さっき通りすぎたやろ?」
「はい」確かに、ああ、鶴瓶さんがいるな、と思って通り過ぎたrui。
「そン時、お前見て、わしが男や男やっちゅうのに、あいつらはお前が女やゆうて
言い張りよんのンや。ほんで賭けたんやけど、どや、ワイの勝ちや」と拳を握った
ガッツポーズをruiは忘れてはいない。存在感があってすごく印象に残っている。
「賭けに勝ったのですか。おめでとうございます。ところで」と、サインをもらう
事も忘れてはいなかったruiだったが。なかなか体験できない状況だった。

しかし、あれから○十年。可愛くは無い。どちらかというと汚い。
ん?待てよ。「それがなんと吉田さんだった」?吉田?
本名を知っていると言う事は、劇団関係、音楽関係ではないのではないか?

・・・ますます混迷の度合いを深めてきた。
そして、その時の書き込みはこの言葉で終わっていた。

「歓声?まであと35日・・・」・・・・・・歓声?   (次回に続く)

 

2003.08.13

■難事件担当 
名探偵 銀子一耕助

Wed.

ウィステリアを推理する・3 解決予告編

再び、そして三たび、私は現れた。
何でこの私、
名探偵 銀子一耕助だけが毎日、日記を書いているのだ?
・・・何?他のメンバーは御盆の帰省中だって?!
ruiは今年田舎に帰らなかったんじゃないのか?あの連中は私にこの日記を押し付
けて、どこかに遊びに行ってるんだ。くっそー!騙された。
・・・・ まあ、いい。心の広い私はこんな事で怒りはしない。寄生虫でも何でも
なるがいいさ。

前回のおさらいから・・・どこまでいったっけ?

「ウィステリア」は女だと思ったが実は違うかも知れなかった。

おお!前回のあらすじが今度は一行で終わってしまった。
私の話にはそんなに無駄が多いのか! 落ち着け・・・。
ようし、今回は中身が充実するように、すぐに本題に入ろう。

告白すると、この時点でまだ私は、皆目見当は付いていなかった。
何と言う事だ・・・本題にはいったばかりなのに、とてつも無く情けないスタートだ 。
仕方が無い、続けよう。
掲示板に謎の書き込みがある事は不気味である。
しかし「ウィステリア」には悪意が無い事は感じられる。
このまま謎が解けずに終わる事はないだろうが、少しでも早く真相を突き止めたかった。
ある心配もしていた。
一番気になったのは、例えばこの書き込みそのものが でっち上げだと人びとに思わ
れる事である。 それはruiのページそのものの信頼を無くす事でもある。
私がそう言うと、ruiは「いくら何でもそんな事はしませんよ!
それは御法度でしょう」と憤慨した。
そう、確かにこの書き込みは真実である。

しかしながら未だターゲットを絞り込めない私は悩み、奥の手を使う事にした。
私の助手「でび」に電話をかけたのである。

彼女はるいぎんこの主宰する劇団★唐海賊に所属する女優。 ミステリマニアである。
本人も6匹の猫と暮らすミステリアスな部分を持った女性である。
依頼人のruiに電話をかけさせた。以下はその会話の真実の記録である。

rui「あ、いつもお世話になります。でびさんですか」
でび「誰がでぶや」
 註*彼女の名誉の為に言っておくが、彼女はけっして太ってはいない。
rui「いえ、あの・・・ruiです」
でび「ああ・・・歌うたいの。もう歌うのやめた?」
rui「は?」
でび「は?ってまだ歌ってんの?あ〜あ・・・そっか〜。」
rui「どうしてため息つくんですか」
でび「いい?あなたが音楽活動始めたから、ますます劇団の公演が遠のいたわ。」
rui「ぼ、僕のせいでしょうか?」
でび「さあね。でも、この間あなたのライブに私が嫌々行った時あったでしょ?」
rui「嫌々だったんですか!・・・まあ、それで?」
でび「あの時もね、一緒に渋々行ったもう一人の女優Mさんとライブ聞いてて、
   ため息ばっかりだったよ。これじゃ芝居の公演、いつになるか解んないネ
   って」
rui「ごめんなさい」
でび「まあ、いいけど。どっちにしても台本なんて書く気配もまったくなかったんだから。それよ
   り何?」
rui「あ、そうそう。でびさんは「ウィステリア」って誰だと思います?」
でび「何?それ」
rui「な、何って・・・僕のホームページ見てくれてないんですか!」
でび「見たよ。書き込みもしたじゃん」
rui「いや、そんな昔の話じゃなくて・・・。あの、最近変な書き込みがあったん
   ですよ」
でび「知らない。」
rui「ちゃんと見て下さいよ、劇団員なんだから。まあ、いいや。とにかく僕のホ
   ームページの掲示板に「ウィステリア」って人から変な書き込みがあって・
   ・・」

ruiは本当にこの書き込みの主が解らなかったから、真剣にでびに事情を説明した。
始め気乗りしなかった雰囲気の彼女だったが、やはり根っからのミステリ好き。
徐々に眼光が鋭くなってきた。
まあ、テレビ電話じゃないから、本当いうと彼女の目は見えなかったんだが。

でび「それは何?カウントダウン?」
rui「そんな感じです。ねえ、誰か心当たりないですか?」
でび「私の知り合いは心当たりないなア。・・・でも、そうね・・・ウチの女優M
   さんかも。」
rui「いえ、彼女引っ越したばかりでパソコン無いのです」
でび「あ、そうか。そういえばそうだっけ?でも携帯という手が・・・」
rui「彼女、ピッチなんですよ」
でび「ピッチで書き込みできるの?何だか可能性うすいね。じゃ・・・あの人じゃ
   ない?あのほらあなたの知り合いのCさん。この間のライブにも来てて、私も
   Mさんもお話してもらった・・・あの人。」
rui「あ、Cさん。あの人ですか・・・うん、そんな気もするなあ。」
でび「うん、あの人ならあり得ると思うわ。今聞いた話や書き込みの雰囲気とかは、
   何となくあの人を連想させる。一見、ふざけているように見えて、実際はすご
   く真面目に話してたりして、こっちが驚いてしまう時あるでしょ?だから・・
  ・・ ・きっとあの人だよ!」
rui「あ!でも、あの人と僕は「ウィステリア」から書き込みをもらう三十分前に
   電話で話してるんですよ。」
でび「電話で話していても、その人じゃない証拠にはならないでしょ?」
rui「いや、書き込みに「お久しぶりです」って書いてあるんですよ」
でび「そんなの・・・あの人だったら書きそうだよ」
rui「そうかなあ・・・とにかく、一度書き込みを読んで下さいよ。僕、不安で。
   どう接していけばいいのか、解らない」
でび「解った。適当に読んでみるわ」

こういう会話がやりとりされたらしい。
結構、律儀な所のある彼女からruiに三十分後にメールが届いた。
「やっぱりCさんぽいと思うけどぉ。でも、そんなに怖がらなくてもいいよ。
解んなかったら「あなただあれ?」って書けばいいじゃん。
いずれにしてもあなたの知り合いの人だから心配なし」
私はでびの、この推理を聞いて「ふん。まだまだ甘いね」と思った。
まあ、彼女は若いからいい、これから彼女が探偵として立派に成長してゆく様を、
見守る事としよう・・・。

「ウィステリア」から次の書き込みが届けられたのは
2003/08/05 (火) 23:17の事である。
私は要点をピックアップしてみた。
何か手がかりになりそうな箇所は・・・?

「初めての出会い・・・だと思いますが(可愛かったこと)すごく暑かったのかな?
汗を流して、青春していました。そう何事にも一生懸命やられる方だなと感じました。」
全然、解らない。これがもしも真実なのだとしたら、ruiと「ウィステリア」なる
人物とはいったいどういうシチュエーションで会ったのか?想像できない。
困った私はゴマキネタで逃げた。・・・我ながら良いプランだった。

次にデザイナーのルイギンコに個展を開かないかと持ちかけている。
「個展とか開かないのですか?開催するときは、連絡下さい。
お手伝いさせていただきます。」
こういう方面の事が得意なのか?広告関係?ますます絞り込めない。

「最後に、いつも、影ながら応援させていただきます。
(基本的には影の存在なのです。でも依頼があれば表にでます。)」
基本的には影の存在?でも依頼があれば表にでる?何じゃ?

 

そして、次の書き込みは2003/08/06 (水) 23:26。
見当が付かない私に、業を煮やして来たのか、たくさんの手がかりを含んだ書き
込みがマイコンだ。いや、舞い込んだ。・・・もう、頼むよMac。

「芸能人ではありませんが、
テレビやラジオに出演させていただいたことはあります。」
何?かなり驚く告白である。

「NH○のお昼の生放送や、CB○、メーテ○等ですが、
かといって凶悪犯罪とかのニュースではありません。」
ギャグをかます余裕すら感じる。どういうヤツだ。

「舞台経験もあります。だから挨拶が、何時になっても「おはようございます」に
なってしまいます。」
ぶ、舞台経験?そうか。おはようございますの挨拶。
いつも夜中に間違えてると思っていたし、下らない冗談だと思っていた。
しかし・・・こういう意味のヒントだったのか?
彼の二回目の書き込みは「おはようございます」から始まっていた。
この時点から彼は私にヒントを与えていたのだ。と、いう事は・・・・・・

おっと、○をつけ忘れた。
「ウィステリア」の影に飲み込まれかけているのか?いいや・・・その逆だ。
ヤツの影に私が近付いたのだ! 私は今、真実に行き着こうとしている。
「ウィステリア」の人物像が浮かび上がって来た・・・
この私の頭の中に浮かぶ人物、それは・・・。
私は驚いた。 彼だったのか・・・・・・。

頭の中ですべてのつじつまが合った。
今まで解けなかった謎の言葉のひとつひとつの意味が滑り込んできた。

「おはようございます」挨拶で芸能関係だと気付くべきだった。いきなりの敗北だ。

「ウィステリアです」「名前の意味から解読していくのは?」
ウィステリア・・・藤?何と!彼の本名にはこの文字が入っていた。

「 初めてあった時は・・・なんとも言えないくらい可愛かった。」
「それがなんと吉田さんだったのです。(驚)」
「すごく暑かったのかな?汗を流して、青春していました。」
「そう何事にも一生懸命やられる方だなと感じました。」
これらの意味に気付いた時、私は頭を殴られた気がした。
彼と出会った最初の日は、そう!吉田はキャラクターの中に入っていたのだ!
小さな子供のキャラで確かに可愛かった。
キャラの中はムチャクチャ熱くて確かに汗まみれだった。
現場でいきなり入る事になった吉田は、それでも本当に一生懸命やっていた。
キャラクターの意味だったなんて・・・。

「基本的には影の存在なのです。でも依頼があれば表にでます。」
そう、彼は普段は影に回っている。

「芸能人ではありませんが、
テレビやラジオに出演させていただいたことはあります。」
彼は自分で芸能人ではないと言っているが、吉田にとって勉強になる話をいっぱ
いして、いろいろと教えてくれる人物である。
吉田の体験した事のない分野の人である。

私、名探偵 銀子一耕助は
今回のこの事件をいつか、苦い思いで回想するのかも知れない。
その理由は「でび」・・・。
キミの真実を見抜く洞察力に私が敗北したからだ。

「でび」よ。
君は一行の書き込みも読まずに謎の人物「ウィステリア」の仮面を剥いだ!
君の推理は正解だったんだ!

そうですよね「ウィステリア」さん・・・いいえ、Cさん。
あなたでしょう?Cの頭文字のあなたの名前、その意味は「居心地の良い空間」
「ウィステリア」の花言葉は「あなたを歓迎します」 ・・・
すべて、意味があったのですね。
私は、あなたの事を、少しも範疇に入れていませんでした。
なぜならruiが言っていたように、書き込みの三十分前に電話で話しているのに
「おひさしぶりです」はないと思ったから。
でも、 この部分も「でび」は見抜いていた。彼女に完敗だ。

しかし、Cさん。私はあなたには負けたわけでは無い。
あなたが自分で正体を明かす前に、気付いたからです。
いっぱいヒントをもらってやっと解けたのだが・・・ちょっぴり悔しい。

もしも、Cさん。あなたであったのなら
今度の書き込みで、そうだよ、と答えて下さい。

これで、私のこの事件は終わった。
・・・長い旅だった。傍観してくれてた人たちにとっても 長かっただろう。
しかし、もう、終わった・・・。

すべての謎は解け・・・・・・・ おおっ!カウントダウンが・・・
まだ続いていたんだ!
カウントダウンの意味は!
その意味は・・・!

でび!でび!
推理を聞かせてくれ!・・・・・・おいっ!答えてくれよ。
お前、もしかして、ここにはめったに来ないのか。

お前、 たまには、掲示板ぐらいのぞけよ!(掲示板に続く・・・と思うけれどね)

2003.08.15

その他担当 ルイギン

Fri.

単発スポットCMクラス超短編(一息で読みましょう)
座右の銘を胸に抱いて

俺は覆水を尊敬している。
だから盆には帰らなかった。

     

2003.08.16

■イベント担当吉田さん演劇担当涙 銀子るいぎんこ音楽担当 rui★ginko

Sat.

大河ドラマクラス大長編(休憩しながら読みましょう)
増殖するrui★ginko

今日はすごいよ! 何が凄いって午後からの予定がすごい!
十二時ジャストからいよいよ近付いて来た「マル一昼夜電視台」の打ち合わせ。
名古屋久屋で担当のH井さんとお会いするのでございます。イベント担当吉田さん
そしてその後、二時から大須の七ツ寺共同スタジオっちゅう芝居小屋で、
ツレが出演する芝居「熱海殺人事件」を観に行く事になってッからよォ〜。
役者担当涙銀子

そいでもってお芝居が終わったら今夜はライブだから、
急いで港区の「照和伝説NAGOYA」へ走る事になってるんだ。
音楽担当 rui★ginko
と、いう予定で結構時間ギリギリ。 午前中からその準備に追われていたruiだっ
たんだ。

幾つもの予定が同じ日に入っている時に一番気になるのは服装。
まだ引っ越したばかりだから、何が何処にあるか、よく把握できていない上に、
お天気が悪くて洗濯物が今日も乾いていなかった。これ最近のパターン。
洋服なんてあまり持っていないくせに、吉田さんは時々、スーツ姿の人たちが
神妙な顔つき真剣な会話をしている空間のお仲間に入れて戴かなきゃならない事がある。
でも、たいてい吉田さんはそういう場所ではぼんやりしている。
時々発言を求められるのだけれど、何を喋っていいのか解らない。
人の話を記憶して帰って来るのが精一杯みたい。
きっと、吉田さんは現場の人だから本番当日になったら顔つきも変わり、
人が変わったように役立ちモードにパワーアップするのだろう。
と、信じたい・・・。

その通りでございます。 まだぼんやりモード全開の吉田です。
今日は名古屋市栄近辺でイベントの打ち合わせに参る予定です。
お相手下さるのはもうすっかりお馴染み「マル一昼夜電視台」担当のH井様。
冷夏とは言え、やはり夏ですから歩いたりしていると汗ばんで参ります。
まして今日は一日、ギターを担いだままです。
おお・・・うんざり。

いつも冷静な私は今日の予定を見越して来て行く服を選びます。
今日は打ち合わせだけではなく、小劇場のお芝居を見る予定もあります。
もしかしたらそこは熱いかも知れません。
逆に冷房が効き過ぎて寒いかも知れません。
その後、ライブがあります。
きっとruiは暴れるでしょうから着替えは絶対必要です。
お天気をみると予想外に雨が土砂降りになるやも知れません。
・・・私はどうすればいいのでしょう・・・・・もう、悩んでしまいました。
でも時間が迫っております。
思い切って普段着のままで打ち合わせに出かける事にいたしました。
大変失礼ながら、心の中で土下座しながら打ち合わせをしよう、
と堅く心に誓いましたです。
H井様には先日N市にて、お食事の時間もままならぬ程
御迷惑をおかけした吉田でございましたから、 本日は準備万端、遅刻厳禁いざ出陣!
まさに出かけようとしたその瞬間に東山動物園のコアラが産気付きまして
またまたちょっぴり約束の時間に遅れてしまいました。 ごめんなさい。

H井様の会社に到着しました。お食事でもしながらお打ち合わせをしようと
御一緒に街に出ましたところ
何と!どのお店も閉まっているではありませんか。
どういうことでしょうか?と考えましたなら・・・世間はお盆休みでした。
名古屋市久屋大通りあたりはオフィス街。
会社に来ている人も少なく、まるでゴーストタウンのようでした嘘です。

吉田ときどき思いつきで喋ります御注意くださいませ。

H井様と吉田はふたりで開いているお店を求め随分歩き続けました。
とうとう大通りまで出てやっとそこに見つけた「カフェ・ド・クリエ」に入りました。
ギターが重い吉田はすでに汗が額からポタポタ・・・笑われてます。

席に着きホッと一息つくや否や、速攻で二人は打ち合わせに入りました。
早く仕事を済ませてのんびりしたいという根性丸見えの行動ですが、
お互いに目的意識及び利害関係が一致している場合はなんら問題ありません。
H井様は私の汚い手書きメモをチェックし、
次々と頭にインプットしていかれます。おお、さすがプロ!
ふたりの打ち合わせの集中力が本日最高潮を迎えた瞬間、
クリエ店内も我々の気迫に唖然としたのか
シン・・・と静まり帰っておりました嘘です。まあ、世間はお盆休みでしたし・・・。

その静寂を撃ち破るかのようにH井様の携帯が妖しげに鳴りました。
その相手とは?・・・私もよく存じあげている名古屋イベント業界の貴公子。
貴公子と打ち込もうとしてもコンピュータが嫌がり
「帰港し」「寄稿し」「奇行氏(これ上手い!)」としか変換してくれない
「自称イケメンH・T氏」からでした。

「誰からですか?」と私、問いかけますと
「H・Tさん。来るそうですよ、ここに。今から」
「えっ!そ、それは・・・」
「その通り、つまり・・・」
ふたり同時に「早く打ち合わせ終わらなくちゃ!」と
無茶苦茶、急いで仕事に取りかかりました。

「自称池面H・T氏」はとにかくよく喋る。人の集中力を破壊しつくします。
また、話の内容が怪しすぎるのですが、
哀しい事に聞いている方は思わず耳をそばだててしまいます。
加えて、自分に関しての話が多い。でも、これが面白いからいけません。
真面目に仕事をしたい時、まわりの人びとは、みんなこっそり彼から離れて行きます。
スタッフルームでひとり、またひとりと人数が減ってゆくのを、
彼だけは気付いていないのです。

私があの方と始めてお会いしたあの日。忘れもいたしません。
名刺交換のその時に戴いた名刺はたしか、オカマバー勤務のタレントさんの
名刺だったと記憶しております。
顔合わせを兼ねての自己紹介。今からクライアント様の企画会議出席。
大仕事を目の前に、緊張して赴かなくてはならない早朝の近鉄名古屋駅で
初対面の人間に対して、けして誰もができるという行為ではございません。

名古屋のPARCOの裏手では早朝四時頃になると、チーマーの方たちが集い、
青春を謳歌するついでに「イケメン狩り」をなさるそうです。
彼はさっそくその情報を知り、その時刻、その場所に
イケ面男として出向いたのですが全然狩られる事なく次の日憤慨しておられました。
ちなみにチーマーの方は、ちゃんとタムロしスタンバっておられたという事ですので
理由は自ずと明解である訳ですが
彼は不思議がっておられます。 私にはその事自体が不思議です。

そんな彼がとうとう私たちの前に姿を現されました。
打ち合わせも間もなく終わりを向かえる頃でしたので、
ひとり話し出されました「自称イケメンH・T氏」をほうっておいて
私とH井様は速攻で打ち合わせを終えました。
ほっと一安心。 時計を見たら何と、一時四十分。
私は二時に大須に行かなくてはなりません。
H・T氏は我々の仕事が終わったと知るや否や
かなり強烈なネタをフって参ります。
こ、このまま・・・聞いていたい・・・。
一時五十分。時間のリミットを向かえた私は
辛い気持ちと戦いながら席を立ちました。
去りぎわにこのホームページのアドレスを伝え今夜のライブの話をしますと、
何と!今夜ライブに行けるかも知れないとのお言葉。
しかも、H井様までお時間があれば来て下さるとの事。
おお・・・嬉しゅうございました。
が、多分、お二人ともお忙しい身。御無理かと思いながら
クリエを後にした吉田でした。

大須の街まで地下鉄では全然間に合いません。
すかさ
ずタクシーを拾って乗り込んだところ・・・これが、少しばかり渋滞
してやがる
。ちぇっ! 焦ったねオレは・・・。

戯曲演出担当のるいの野郎は、オレの横でゆったりと目を閉じてやがる。
気取ってんじゃねぇよ、ったく!おい!もっと飛ばしてくれよ!

久しぶりの七ツ寺共同スタジオでの芝居なんだ。期待してんだよ。
焦ってるオレの横で突然るいが話し始めやがった。

「大須は・・・」
「ん?」
「変わってないねえ・・・大須は」
「ああ、そうだな。オレ達が劇団を結成したのもこの街。
 しかも七ツ寺共同スタジオは旗揚げ公演をうった小屋だ。」
「そう。私がこうして目を閉じるとまざまざと浮かんでくるのだよ、
 あの頃の風景が」
「ああ、オレもだ。特にオレは、あんたが脚本や演出を始める前、
 まだ役者しかしていなかった頃からこの街には世話ンなってたからな。
 あんたより長い付き合いなんだよ、この街は」
「そうだったな。いろいろな事があった・・・」
「本当に・・・いろいろな事を教えてくれた街さ」
「また私が日記に、その頃の体験を記す時もあるだろうね」
「オレもいつか話す事があるだろうな。今のオレが、
  いや、オレだけじゃねぇ。デザインやってるあいつや音楽やってる
  あいつも、この街で暮らしたあの時、あの人たちと出会わなければ
  きっと今、存在しなかったと思うゾ」
「まったくだ。いい時間を生きた。不思議だ。今でもこの街に来ると、
  あの頃の気持ちが蘇る。何も恐いものなど無かった昔の自分と再会したような
  気持ちになれる。時代は変わったがね。 これから見にゆく舞台も
  今の演劇人たちの今の舞台なのだろうが、私はあの頃の自分の影を、
  どうしようも無く追いかけてしまうと思う。きっと。そんな気がするよ」
「おっと、着いたゼ。急げっ!」

二時ジャスト!受付ギリギリ間に合った。
ruiの野郎のギターを預けて久しぶりの七ツ寺共同スタジオの暗い空間に
足を踏み入れた。

今日の公演は ドラゴンプロジェクト2公演「熱海殺人事件〜サイコパス」
作/つかこうへい 演出/破壊神
出演/相良真(劇団翔航群)山口鉄也(芝居工房磁雷屋)MAFF 渡辺浩司

オレの友達のMAFFとは最初、音楽の仲間として知り合ったんだ。
ruiが歌いはじめる切っ掛けとなった「歌うたいの夜」というコンサートで
一緒になったのが最初だったナ。
その日、話しながらの帰り道、彼女が女優であり、しかもオレが随分世話に
なっていた兵藤隆之氏主宰の「劇団とりあえず」の創立メンバーである事を
知った。音楽、芝居と話の合ったオレたちふたりはあっと言う間に仲良く
なった。

今日はその彼女の舞台を見る二度目の体験だ。
一度目は「劇団とりあえず」の旗揚げ公演。印象に残ってるゼェ、
彼女の周りだけ磁場が強かったからよぉ。

今日は他にももうひとり友達が出る。 相良真。通 称ぷーさん。
ぷーさんという呼び名にそぐわない名古屋小劇場界きっての二枚目俳優。
劇団翔航群所属。 彼とは何度か一緒に舞台を踏ませてもらっている。
台詞でからんだ事は少ないか?
普段は優しいこの男が「熱海」の伝兵衛役で、どれほど静かなる狂気と
歪んだ哀愁を魅せてくれるか楽しみだね。

つかの「熱海」を出し物に選んだのはどうしてだろう?
オレはこの「熱海〜サイコパスバージョン」のつかこうへい演出の舞台を
随分昔に見た。
芝居はリアルタイム芸術であるために時代とともに生まれ、生き、
時代との関わり方が最も深い表現だと思う。
ナマモノだから当然、オレが昔見た「熱海」とは違うに決まっている。
今回の「熱海」はどんな世界だろうか・・・?
期待と追憶に心を遊ばせているオレを、いつしか闇が包み込んだ・・・・。

 

二時間後、夢から醒めたようにオレは七ツ寺の表に立っていた。
久し振りに体験した熱い時間。凝縮された密度の濃い空間。
役者の熱が波動となって迫り来る時空間に酔った二時間だった。

舞台は体験だと思う。
観客としても役者としても体験しかないと思う。
ここで舞台を観て感じた事をオレが話しても、
けっしてそれは誰にも伝わりはしないよな。
「夢は体験するしかない。語られた夢は聞き手を退屈させるだけだ」は
渡辺えりこさんの言葉だったっけ?

MAFF、ぷーさん、山口さん、渡辺さん。
オレはあなたたち四人がシノギをけずったあの舞台を体験できて幸せでした。
密度は濃かった。
存在するという事、それ自体がエネルギーである事を知らされました。
オレも負けないようにしたいです。
本当にありがとうございました。

MAFFは今日、誕生日だったんだよな。
プレゼントどころか差し入れも買えずに飛び込んだオレを許してくれ。
今度、ゆっくりとお酒を飲みながらお芝居の話をしような。

挨拶もそこそこにオレはギターをかついで大須の街を駅に向かった。
観音様の横を通る時、ちょっと寄り道したくなったが我慢しちまった。
人になったもんな、オレも。

地下鉄と近鉄を乗り継いで今夜のライブ会場に向かおう。
今夜もきっと何かが起こるという予感を胸に、
僕は歩いて大須を後にした。

僕は疲れているつもりはないよ。
でも、何だか物忘れがひどい。
馬鹿馬鹿しい事でウラにハマる。
心に余裕が無いのかなあ。
いつも何か考えているからかなあ。
集中力がないのかなあ、
と考えながら蟹江の駅についた。
改札を出てタクシーに乗る前に、心を落ち着けようと緑茶を買う。
自販機の前に立った。
百円硬貨を入れる。
一つは入ったが二つ目が戻って来た。 あれ?もう一度。また戻ってくる。
焦る。 偽物?よく確かめたが不審な点は無い普通の百円硬貨。
う〜ん・・・えいっ!と念力で押し込んだ。
僕の念力が効いたらしい、今度は戻ってこなかった。
心に余裕を取り戻して 緑茶のボタンを押した。
おつりが戻ってくる。落ち着いてゆっくり五十円硬貨を取る。 完璧だ。
僕は最近、ほんの少しだけ心に余裕がなかっただけだ。
でも、もう大丈夫。 この調子でじっくりと生きてゆこう。
悠然とタクシーに乗る。さらに気持ちを緩和させ、
お茶でもひとくち・・・・・・無い。どこにもお茶が無い。
ああっ!あの自販機の中だ!お釣りだけ受け取ってペットボトルを忘れて来た。
まだまだ人間ができていないなア・・・。

反省したruiを乗せてタクシーは「照和伝説NAGOYA」に着いた。
もう予定時刻を過ぎているから、走ってお店のドアを開ける。
ん?開かない?何で?・・・びくともしない。カギがかかっている。
おかしい。
明日はオーナー以外、池田さんたち全員が博多で行われる本家
「照和伝説15周年記念コンサート」に出演するために九州へ行く。
もしかして今日、早めに出発しちゃったの? そんなはずないよね?

入り口で戸惑っていると、微かにドアの向こうから
誰かの声が聞こえてくる。
「・・・ヤマ」
「は?」
「山!」
な、なんだあ?合い言葉かよぉ・・・・・・あ〜あ。
「ため息なんかいらん!ヤ・マ!」
「・・・カ・ワッ!」
かちゃっとカギの開く音がして、悪戯の国の扉が開いた。
僕はあきれながら合い言葉の続きを発した
「・・・静夫。・・・子供じゃないんだから、ふたりとも」
ふたりとも、と言えばお分かりだろうが、いつもの二人である。
哀愁のレディーキラーMr. 池田。
そしてスーパーテクニシャン、ゴールドフィンガーMr. 大嶋のふたりだ。
僕が戸惑っているのを見て、けらけらと笑っている。
二人とも選挙権のある大人である。

前々回は本番直前に僕が練習をしているところへ二人がやってきて、
そこで即興演奏を始めた。

前回はリハーサルの段階で池田氏にギターとマイクを奪われて
ひとりで客席にいたら、大嶋氏が指から血を出しながらやってくるという、
二段構えで僕を脅かした。

今回こそは負けないぞ!と思い気合いを入れてお店に行ったら
今度は店内にすら入れてもらえなかった。

次回は作戦を考えて行くからね。

それはともかく、お店に入ってステージを見て驚いたよ。
僕の友達、武笠クンがスタンバっていたんだ。
武笠クンは今日、オーディションを受けに来ていた。
その話を聞いていなかった僕はすごく嬉しかった。
どんな事でもそうだけれど、自分でアクションを起こさないと始まらない。
僕はいつもそう思う。怠け者の僕でもなんとか毎日やってゆけるのも 時々、
清水の舞台から飛び下りるつもりで動く時があるからだと思ってる。
心の中でステージの彼にエールを贈った。

彼は今夜「照和伝説NAGOYA」で初舞台をつとめる幸運に恵まれた。
おめでとう。

彼のあとが僕のリハーサル。「早くしろよ、早く」池田氏が焦らせる。
座って、さあ、ギターを弾こうと思ったら「よーし、おっけぃ!」の池田氏の
声。まだ音も出しとらん!
今日はちゃんとリハするんだからね。おっ、今日はワンコーラス歌えたぞ、
いい感じ、いい感・・・こ、こら。池田さん、立ち上がらなくていい・・・から
・・・・・こっちへ来るんじゃ無い・・・お、おい・・・。 やな予感を感じた
僕は思わずパニックになって「前みたいに拓朗のイメージの唄を歌ったりは
しないように・・・」 「何!イメージの唄?ようし!ギター貸せ」 しまった!
墓穴を掘ってしまった!すでに彼はマイクの前で「イメージの唄」を熱唱して
いた。 もう、止まらない。
途中で大嶋さんを呼びドラムに座らせ、叩けと言う。
大嶋さん、さすがに今回は手は使わない、
バスドラで対応。人間成長するものである。
僕はギターのキーを確かめ丁度合うハーモニカがあったので、
それを吹いてあわせてみた。何だか楽しくなって来た。
池田さんが「ようし!今夜はこの曲をこのメンバーでやろう!」と言い出した。
新ユニット結成だ! やはり、今夜も事件は起こった。

 

いよいよライブ開始。
いつも変だけれど今夜は特に変だった。

今日は出演者四人。
一番、武笠紘明君、二番、rui★ginko、
三番、大嶋 芳さん、大トリ、池田利明さん。
いつもより人数が少ないけれど今夜も濃いなア。

トップの武笠クン。じっくり聴くのは僕も初めて。
ハートに沁みる声で叙情の世界を優しく歌う。
オリジナルに混ぜて誰もがよく知っている童謡
「赤とんぼ」や「シャボン玉」を歌った。
彼が歌うとそれらの唄は、彼の唄になった。
何を込めて歌えば、あんな風になるのだろう。心を奪われてしまった。

彼が歌っている途中で、お店に怪しいサングラスの男が・・・と思ったら
何とお昼に会った「自称池面H・T氏」であった。約束通り来てくれた。
じ、じゃあ?もしかしてH井さんも? と思ったら姿が見えた!イェイー!
もう一人のお客様をともなって三人ではるばる遠い所を訪ねて来てくれた!
すごく嬉しくて、同時に緊張が走った僕だった。

二番、rui★ginko。
丁寧に歌う。最近、心掛けている。どうせ下手な歌だから一生懸命歌う。
これだけ。僕のすべては今、これだけ。
一時間五分もやってしまいました、ごめんなさい。

先ほどのH井さん始め三人は、仕事の合間にわざわざ来てもらったという事で
僕のステージの後、また仕事に戻って行った。
後ほど、H井さんが粋な言葉を駆使して
洒落た書き込みをプレゼントしてくれた中に、
僕の尊敬する先輩がたのステージも是非聴きたかったです、と
書いて下さった事が嬉しかった。
これからいよいよその先輩がたの登場である。
もうすっかり落ち着いた大人の方々で、僕はいつも勉強させて戴いている。
けっして子供じみた行動は取られない風格を感じさせる方たちである事を
付け加えておく。

三番 大嶋 芳さん。
前回の負傷も完治し、ほんの少し指先がひっかかると言いながらも
素晴らしいテクニック。僕は今夜の演奏は特に気持ち良く聞かせてもらった。
でも、MCが何だか変だった。

「先程、ルイギンさんのギターの弦が切れましたが・・・」
  確かに僕は弦を切った。池田さんのマネージャーのMさんが気を利かせて
  ギターを用意してくれようとした時、大嶋さんは自分のギターを差し出そ
  うとしたそうな・・・。

「え〜、今度の曲の拍子は3、3、2、2、2になっているのですが、
  これらの数を全部足すと幾つになるでしょう。客席一番後ろの方」

  偶然だけど、僕じゃないか?
「では、ルイギンさん」
「・・・・・」

「さて、この曲はアンダルシア地方の曲なのですが、実はアンダルシアに
  付いて非常に詳しいのはルイギンさんで」
・・・ほへ?
「彼のホームページにはアンダルシアに関しての詳しい情報が乗っています。」

  なに?・・・お、おい・・・こら・・・何を言いだすんじゃ、この人は・・
 ・・ ・。
「是非とも、彼のホームページにつないでアンダルシアについての知識を
  深めて戴きたいと思います」

  ・・・あ、あのなあ・・・ま、まあ・・確かに僕は、詳しい。
  アンダルシアに関して知らない事は無い。
  故郷の滋賀県ではアンダルシア博士と言われ銅像も立っている。
  何だか、そこまで言われたらアンダルシアについて語るしかないじゃな
  いか。ううっ・・・ここのライブって言ったモン勝ちかよ?まあ、一応、
  ここにアンダルシアについての情報をリンクしておくけれど・・・
 ・・ ・良かった・・・僕の一番得意な専門分野で。・・・忙しいんだゾ、僕は。

「あ、ひとつだけ注意事項があります。ルイギンさんのページにつないだ後は、
  すぐにケーブルを抜いておかないとウィルスにやられます。」

  こら!今夜は言いたい放題の会社の忘年会か!

「では、次は僕の最後の曲です。
  今日はどうもありがとうございました。ルイギンコでした

  あんたはオオシマ!世界のロメリスタ。オ・オ・シ・マ・ヨ・シ!なの!
  どうなってんの?

 

さて、次はお待ちかね、いつもながら最後をきっちり締める、
大御所我らが池田利明さん堂々の登場!

「こんばんは!ルイギンコです!

 や、やめてください。お願いだから!
  一曲歌うごとにMC。でもこちらも変。

「今夜、二番目に歌ったのが遅刻の多いルイギンコ
  三番目に出て来たのが癒し系のルイギンコ
  そして最後は私、バカなルイギンコ・・・」

  もう勘弁してください。何でもしますから・・・。

「ちょっと小耳に挟んだのですが・・・きく所によると、ルイギンの
  ホームページでは、僕や大嶋君の悪口をrui★ginkoが日記に書いて
  発信しているそうです。でも、それらはすべてデタラメですので信
  じないようにしてください」

  もう、お手上げ・・・。

「それにしても、何だか今夜はルイギンコって言葉、多いな。
  流行り言葉か?おかしい。なんで?」

  知らないよ。本当に増殖してる。

「あ、そうだ!これだ!これがウィルスです!気をつけましょう」
  うわぉ!ウィルスのせいだったのか!思わず僕もうなずきましたよ。

リハーサルの時に結成された三人グループは、予定通 り「イメージの唄」を
熱く演奏し、お笑いバンドにしては結構真面目な音楽を届けた。
メンバー紹介の様子は話すまでも無いと思う。

普通、ミュージシャンはMCの時は自分の事を話すものだ。
自分の音楽について、曲について、生き方について・・・。
持ち時間の中で話せる内容なんて限られている。
でも、少しでもお客様に自分の事が伝わるように有効に使おうとするだろう。
この人たちは、何だ。
この人たちは今夜、ルイギンコという名前を二人あわせて
三十回以上は言っている。
本人の僕でさえ二回しか言わなかったのに。
やはり、ウィルスか?

・・・きっとそうだと思う。
このウィルスは増殖する。
優しい気持ちを胸に秘めている人にしか感染しない。
遊び心を栄養として
感じる心を媒介として。
その発信源は子供の二人。
扉にカギをかけてクスクス笑える心を持った人たち。
生きる事に純粋で
愛する事に誠実で
何よりこころを大切にする。
ルイギンコなんてただのキーワード。
増殖のお手伝いをさせて戴けた今夜は光栄でした。

どこまでも広がって行けばいい。
幸せがそこにあるよと知らせながら
人の心から心へ。

2003.08.22

■イベント担当
吉田さん

Fri.

マル一昼夜電視台・シコミ

はい、こんばんは。吉田です。
行って参りましたN市の方へ。ただ今仕事場に戻って参りました。
本日はいよいよ明日から始まります「マル一昼夜電視台」のシコミの日でございました。
シコミ・・・・仕込み。すなわち準備をするわけですが、本当に一つのイベントが
沢山の方々の御協力の元に成り立っているのだなあ、とつくづく感じさせて戴いた一日でした。

まだ初まってもいないうちからこんな調子ですから
さぞかし明日の本番はすごい事になるのでしょう。どうすごいのかは明日のお楽しみですが。

イベントに限らず、どんな事でも同じですが
表から見ている限りでは決して見えない部分に遭遇する事がございますね。
こんな事を言うと怒られるかも知れませんが
私は結構トラブルが起こるとワクワクするタイプなのでございます。
その理由は、そういう時にこそ、プロの方々の長年つちかってこられた
本当の力を垣間見る事ができるからです。
どんなイベントでもナマものです。
それは芝居でも音楽のライブでも
ある意味ではイラストを描いている瞬間でも同じだと言えるでしょう。
もしかすると、会社にお勤めの方の日々のお仕事もそうかも知れません。
緊急会議も、営業の出先で顧客の方と交わす雑談も同じだと思います。
すべてその瞬間しかないリアルタイムのライブです。

すべてのナマものにトラブルはつきものです。

そういう時に私は、誰かが底力を出して来られたりする姿に出会うと
心から感動します。

もちろん、何も問題が無いに越した事は無いのですが
どんなに慎重に行動していても常にその可能性をはらんでいるのがナマものだと思います。

今日は幸いにして何も問題なく無事に仕事を終える事が出来ましたが
その中でも沢山のプロの方たちのその場その瞬間の判断に出会う事ができました。
それらの判断はほんの一瞬、コンマ何秒の処理、という場合もあります。
長い間の経験が神業に近い判断を下させる場合もあるでしょう。
その集中力や判断力は、やはり格好良いです。

私は元来ぼんやりしておりますから、適格な判断どころか状況が飲み込めていない事もよくあります。
むしろそういう場合の方が多いと判断します。
この判断だけは何故だかマイナス何秒かでできてしまった自分が悲しいです。
デフォルトでぼんやりバージョンの吉田ですから
仕事の時に使うエネルギーのほとんどを、それを見破られない努力に使い果 たしてしまいます。
企画会議の席でわからなくてもうなずきます。これ基本形です。いいですか?
少し重要な内容の話だなと思ったら強くうなずきます。はい、応用編ですね。
みんなが真剣な顔つきをしていたら「なるほど」とつぶやくと同時に深くうなずきます。はい、ここが
重要。つぶやく時には決して大きな声を出してはいけません。注意をあつめて意見を求められたりする
危険性があるからです。表情は柔らかくほんの少しの笑みをふくんで静かに、それでいて素早く、ここ
が肝心です。素早く・・・正式な発音では「なるほど」とはっきり音を区切るより「なぁほぉ」ぐらい
がネイティブな感じが出ると思います。すかさず視線は窓の外の風景にそらしましょう。

さて、次にもしもあなたが不幸にして意見を求められてしまった。この場合を考えて見ましょう。
明日は五時起きなのにこんなくだらない事を書いていていいものか迷いますが続けましょう。
きっと、H井さんはハラハラしている事でしょう。
意見を求められてしまった!はい、ここ、今度出ますからね、よく押さえておくように。

あなたが意見を求められたらまず、ゆっくりと立ち上がりましょう。
意見をきちんと述べる振りをして時間をかせぎましょう。立ち上がるのには2秒用います。
次にゆっくりと息を吸い込み、おもむろに語り出しそうになったところでお茶を飲みましょう。
ここで笑いが出たら勝ったも同然ですが万にひとつも無いでしょう。
お茶を飲み干してもまだ答えるべき言葉が見つからない時
いや、それどころか何を聞かれたかも理解していない時は腹を押さえうずくまりましょう。
ここでまわりがパニックになればしめたものですが億にひとつも無いでしょう。
答が見つからなくても声を発しましょう。
「あ〜、その・・・」間をたっぷりと取りましょう。
「私が思うに・・・」無難な言葉から切り出しましょう。
「つまり、あれに関しては・・・」指示語を多用しましょう。
「・・・何て言えば良いのかな・・・」本心から悩みましょう。
「難しい問題ですが○○さんの仰った様に・・・」人を巻き込みましょう。
「・・・そう、え〜っと何て仰いましたっけ?○○さん。先程の言い回し・・・」さり気なく
内容を聞き出しましょう。
「あ、そうそう。私も基本的にはその意見に賛成ですが、もうひとつ何かが足りないような・・・
・・・でも・・・そうですね。やはり、今の時点ではそれが最善策かも知れません。じっくりと
時間をかけて方法を見つけてみたいと思います」すかさず着席致しましょう。これで大丈夫。

では、最後にうたた寝をしていたのを見破られた時。
「宇宙的な観点から根源的な解決策を求めて瞑想しました結果を発表いたします」
あとは好きに喋りましょう。何しろ観点がマクロすぎますから突拍子も無い話でも聞いてもらえます。

いかがだったでしょう?為になりましたね。

では来週は実践編として、企画会議の席上で実行して戴きます。
では、また来週!ハバ〜ナイスウィ〜クディズ!

明日の為に早く寝ろって?了解。

     
2003.08.23

■イベント担当
吉田さん
Sat.

マル一昼夜電視台・ショニチ

はい、お疲れ様でございました。吉田でございます。
今日は本番の日でした。
もう、半分程しか頭がまわっていなくて何を書いているか把握できていないのですが
皆様に感謝しております。

えと、イベントの現場はすごくたくさんの人がおられました。
暑さも厳しかったので必要以上に皆様も体力を使われたと思います。
何だかだいじょうぶくんの日記のようになっております。

吉田、皆様に本当に感謝しています。

えーと、今日は幸いにして大きなトラブルも無く
本当に無事終了できた事がなによりの喜びでございます。
子供達に人気の丸顔の正義の味方が来てくれました。
同じく丸顔の仇役と戦ってくださいました。
この星の平和は守られたのです。
そういえば火星が大接近しております。
それはともかく強烈な個性のビジュアル系バンドも来てくれました。
格好イイ演奏を聴かせてくれました。
ruiは気持ち良さそうに聴いていました。
素敵なダンサーのみなさんのダンスも格好よかったです。
昨年、そのチームの中にすごく刺激を受けるダンサーの方がおられまして
一発でファンになってしまった私ですが、
今年もその方の素晴らしい踊りに出会えて幸せでした。
でも、今日はどきどきしてお話できませんでした。
明日、したい。

それはともかく、頭の芯がときどき激しく痛みました。
日射病の軽い症状だったのでしょう。
そのままにしておきました。
夕方から毎年出演してくれている男の子三人編成のバンドが今年も素敵な演奏を聴かせてくれました。
すごく力をつけてた!いえ、つけておられました。
曲も良く、ステージングも堂々としておられて
魅力的なバンドになっておられました。
絶対応援いたします。

ステージイベントだけではなくて
会場内にはたくさんの催しが溢れておりました。

子供さんの参加するゲームのスタッフの方達の働きは目を見張るものがありました。
ボランティアの方達のお力の大きさも、いつも心に深く刻まれます。
イベントは普段とは少しちがった気持ちになって刺激と出会う場所だと思います。

足腰が立ちません。
今、家の中で移動する事が困難です。
歳ですから、仕方ありません。
でも、素敵な時空間に出会うため、素敵な人たちとたくさん出会うため。
明日も会場に出かけてゆきたいと思います。

えと、こんな文章でごめんなさい。
この日記を読んで下さる皆様の気持ちが嬉しくて
ぎりぎりまで行こうと思いましたが、ごめんなさい。もう、燃料が底をつきました。
おやすみなさい。

あなたの明日もまた幸せな一日でありますように。皆様に感謝。

     
2003.08.24

■イベント担当
吉田さん
Sun.

マル一昼夜電視台・ラクビ&バラシ

どうも、遅くなりやした。
たった今、バラしてめェりやした。
え?でぇじょうぶでごぜぇやす。
本当にバラすのは明日。
すなわち月曜日の朝。
バラシのプロフェッショナルがいい仕事をしてくれる事と存じやす。

え?口調がおかしい?・・・こ、これはとんだ失礼を。
たった今まで撤収作業で肉体を酷使しておりましたので、
言葉にもつい、力が入りまして。 ・・・あ、バレてますね、
この日記を書いているのは二日後だという事も。
はい、すみません、コンジョ無しの吉田でございます。お許し下さいませ。

まあ、一応、当日のつもりで書かせて戴きます。
さあ〜、今から君も〜二日前にぃ〜・・・・・ ・・・タ〜イム・・・・スリ〜ピング!
・・・ZZZ・・・おおっとぉ!危ないあぶない。また眠ってしまうところでした。

さて、今宵は・・・・ 何だか今宵と表現するだけで美しいラブロマンスの予感がいたしますが
・・・「マル一昼夜電視台」のイベント最終日。
そして軽いバラシ・・・撤収作業・・・汗だくの一日でございました。
夏のロマンスやバカンスや茶箪笥はいずこへ行ってしまったのでしょう?

昨夜、形ばかり名古屋に帰りまして仮眠を取って参りました吉田ですが
本当は現場に泊まりたい、と願っておりました。
なぜなら遅刻ほど恐いものは無いからです。
私、イベント前日はなかなか深い眠りにつけないタイプでございます。
単純に気が弱いのでございますね。
もしもこのまま寝過ごしてしまったらどうしようと想像すると眠る事もできません。
ですから危険な時は、徹夜をして現場に参ります。
すると頭がぼんやりして一日中仕事になりません。
それほど慎重な吉田でございます。

そんな吉田に今朝、恐ろしい事がありました。

今朝は予定時刻に何とか起きる事もでき、名鉄電車に遅れる事も無く名古屋から乗れましたので
内心ホッとしておりました。 このままいつものY駅で下車して、駅に待って戴いているタクシー
に乗ればすべてオーケー。爽快な気分で電車に揺られておりました。

電車はN市へ向かう為、A駅で本線からはずれ、のどかな景色の中をゆく単線に切り替わります。
そこから十五分程電車に乗りますと、目的のY駅に到着するわけでございます。
今朝は気分も爽快、あと一日のイベントを頑張ろう!イェイ!
ってな感じで電車に揺られておりました。

ああ、もうすぐですね・・・あと二駅程でY駅に着きますねェ・・・・・・さあて、
そろそろ・・・降りる準備をしなきゃ・・・いけ・・・ませんネ・・・・・ん?何が起こってる?
今、一瞬時間が止まったような・・・あれ?電車も止まっています・・・窓の外の風景は・・・
おわっ!もしかしてここは!私が降りるべきY駅ではありませんか!え?違いますか!
駅名が見当たらないからよく解りませんが!こ、これは、降りるべきじゃないでしょうか!
と、とにかく荷物をひっつかんで!
あたふたあたふた・・・何が何でも降りてみなくちゃ!おお!何とドアまでの距離の遠い事。
電車は今にもドアを閉め走り出すのではないでしょうか!
間に合ってください!お願いでございますから!
心で神様に願いながら、たとえドアに体をはさまれてでも降りなくては!と突進いたしました。
こういうシチュエーションでは「降りる直前にドアが閉まる」という星のもとに生まれた吉田です。
しかし、今日ばかりは御勘弁を・・・。
とあっ!っと気合いを入れて電車の扉からホームに飛び出しました。
背後で同時にドアの閉まる音。プシュッ・・・その音で我に返ったかの様に、
今さらながら、あたりを見回す吉田。
ま、今さら場所を確認してもどうしようも無いのですが・・・
はたしてそこは・・・Y駅のホームでした。

危なかった・・・一瞬、本当に一瞬、眠ってしまったのですね。ドキドキ。

ひとまず降りる事はできました。
ホッとする暇も無く駅前に待機してもらっていたタクシーに乗り込みます。
私、電車の中からタクシー会社に電話をして、大体駅に着く時刻に待っていてもらう事が多いの
ですが、今日は余裕を見て五分程早めに来て戴いていたのでした。
でも、何故だか運転手さんが不機嫌なのです。

「あのね、言われた時間に来ていたんだけど、こんなに待つとは思わなかった」

何を言い出したのでございましょうか、このお方は。

「普通、五分も待つ時はメーター倒すんだけどねぇ」

お?何だか喧嘩売っておられるのでございますか?

「まあ、始めからそう言っておいてくれればいいんだけどなぁ」

何をほざいていやがるのでございましょうか、この運転手さんは・・・。

もしも、私があのままこの駅で降りられなかったら、
今頃、こうして文句を言う事もできなかったでしょうに。
決死の覚悟で私が降りたから貴方はこうして文句が言えるのでございますよ。
文句を言う前に感謝をしてから文句を言ってもらいたいものですな。
ややこしいとは思いますよ、そりゃあ。でも、運転手さん。
あなたはそこんとこ解ってるんでございましょうな・・・え?もう現地に着いた?あ、そうですか、
これはこれは、どうもありがとうございました。

 

さて二日目の現地に到着いたしました。
我らがスタッフの皆さんは、本日の準備をテキパキと整えてくださいます。
私は私で今日一日、失敗のないよう要点をチェックして参ります。

毎年、空模様が気になる中で本番を迎えるこのイベントでございます。
が、今年はその心配も無く、と申しますか、お天気が良すぎました。
ボランティアの方々、そして各スタッフの方々は
みなさん頭クラクラ状態でお仕事をして下さっています。
昨日は暑さのせいで、お客様の中に体調が悪くなられた方も何人かおられました。
今日も暑い一日になりそうです。
気合いを入れてこの一日を乗り切らねば!

そうして始まったイベント二日目。
今日もたくさんの方々と出会い、そのお心に触れる事ができました。
ボランティアの方々は、イベントに参加する事を
純粋に喜びとして感じて下さっている方が多うございます。
そういう方たちのお気持ちがなければ、なかなか成り立たないイベントだと思います。

一方、スタッフの方達の仕事に対する意識の高さにも驚かされます。
今回はステージイベントの進行を、私と普段から親しくして下さっている方々が
受け持って下さいました。
昨日も今日もステージ進行は時間的に押す事も無く、見事にピタリと決まったのは
そこに関わって下さったDやADの方、そしてMCの方、音響の方、
そして、直前の打ち合わせを瞬時に理解し
風のように素早く立ち回って下さったボランティアの方々のおかげです。
本当に素晴らしいお仕事ぶりでした。

また、会場内のゲームエリアを担当して下さったスタッフの皆さんも
普段から吉田と親しくして下さっている方たちでした。
こちらはじかにお客様と接する事が仕事なので、
イベント期間中、ずっと気を抜く事はできません。
この長丁場をお客様に楽しんで戴く事を第一に、
緊張感のある仕事ぶりで本当に感動いたしました。

吉田が本部に戻ります時は、 いつもお世話になっているハムスターさんの
優しい笑顔に救われて再び現場にでてゆくことができました。
まさに砂漠の旅人がオアシスに出会うような気分です。

その大きな会場内でようく考えてみると
ただひとり役に立っていないのは、吉田だけでした。
私だけは実りのある仕事を何もしていないような気がしておりました。
ただただ、皆さんのお仕事ぶりを見させて戴き、 感動し、感謝していただけでありました。

私は、イベントの現場でいつも幸せに感じる事がございます。
それは、やはり出会いの場にいるという幸せです。

会場内ではさまざまな方達が、それぞれの役割を心を込めて遂行しておられました。
今回、この大きなイベント会場の中で、
すべての方々のお仕事ぶりを拝見できる役割に就かせて戴けた事は幸せだと思っております。
大きな大きなイベントはひとりひとりの誠意のこもったチカラの集合体でした。
どのチカラも精一杯、それぞれの目的に向かって働きかけています。
その価値を比較する基準は何も無く、すべてがすべての為に必要とされているのです。

私は、ひと足遅れの夏の日射しの中、一瞬の幻覚を見ました。
いつか自分が、今日を思い出すであろう未来のある日の事を。
多分その時、こんなにたくさんの人のエネルギーの中に存在できた自分を
幸せに感じる時が来るだろうと。いつか遠い未来に・・・懐かしく思い出しながら・・・。

しばし、未来に飛んでいた私でしたが、次の瞬間気が付きました。
それが「今」なのだと言う事に。
今、自分はこの時、この現場に現実にいる・・・。

リアルな至福のひとときを記憶にとどめようと、
私は再び、人々のエネルギー集合体の中に走り込んだのでございます。

本当に今年の「マル一昼夜電視台」を作り上げて下さった皆様、
お疲れ様でございました。
現地で頼り無い吉田を助けてくださいましたステージDのN様、見事な進行ぶりでした。
ADのS
プリン様。適格な判断と丁寧な仕事ぶりに感激いたしました。
出演者でもありながら二日間のステージ転換のお仕事もお手伝い下さいました
WANTEDの皆様。私にはオンステージのあなた達のお姿もオフステージのお姿も
どちらもとても魅力的でした。 これからも応援させて戴きます。
総合MCのT様、S様。お二人の個性が花開いたイベントステージは
私の心に深く残りました。魅せられて仕事である事を忘れる時もございました。
ゲームブースのキャップT様。吉田はいつも貴女の妥協のない仕事に対する姿勢に
惚れ惚れしてしまいます。先読みの能力に長けた貴女のお力は宝物のように感じます。
また、T様と御一緒にゲームエリアを展開いただいたスタッフの皆様。
おひとりおひとりと触れさせて戴きながら、どなたも本当に心を込めて人と接して下さる方
たちばかりで楽しい二日間でございました。

まだまだ、たくさんの方々の数えきれないお力やお気持ちによって
無事終了できたイベントでした。

本当に皆様、お疲れ様でございました。
吉田は今後、皆様を見習い心を入れ替えて生きてまいります。
本当に心より、ありがとうございました。

2003.08.29

音楽担当 rui★ginko

Fri.

エキサイティング・ナイトin PECKER!

やっほ!昨夜は・・・と書きかけて気がついた!
これは日記だったんだ「今夜は」と書くべきだった!翌日に書いているのがバレバレ!
しかし今さら隠す必要は無い。みんな知ってる。ごめん!

では、一日前にタ〜イム・・・あ、これ、前やった?

今夜は名古屋市栄でのLIVE。「Live Studio PECKER」での二回目のライブだったよ。

このライブハウスは名古屋市の中心、栄の錦三丁目という、
もう、僕みたいな子供はなかなか行く機会がない繁華街にあるんだ。
夜になると大人達が一杯!僕は初めてここに来た時「今夜はお祭りか」と思った。
何だかみんな楽しそう。ご機嫌で街を歩いている。よほど、楽しい事があったんだね。
子供の僕にしてみるとよく解らないのだけれど、どうやらそれは「お酒」という液体が
及ぼす作用らしい。二ヶ月前に酒豪の「MAFF」という友達から教えてもらった。(掲示板
参照してね)

この液体を飲むと超能力が使えるようになるらしい。
僕は見た事あるもん。おじさんが一生懸命郵便ポストと話している姿。彼は本気だった。
地下鉄の最終電車で眠っていても、
車掌さんがわざわざ起こしに来てくれる特別待遇だ。いいなあ・・・。

普段、厳しい会社の上司の頭だって平気ではたけるらしいヨ。

僕が以前、何かで聞いた話だけれど、ある会社の忘年会の席で
いつもは髪の毛の少ない課長の頭が、突然ふさふさになっていたそうな。
ふとそのとなりの部長を見ると、いつもの豊かな黒髪がきれいになくなっている。
後で社員が思い出したところによると、その時、この液体を飲んだ誰かが
部長の髪の毛を突然つかんで引っ張ったら、ずるりと髪の毛一式が取れたものだから
その社員の心に魔がさした。
髪の毛の束をフリスビーにして別の社員に向けて投げたそうな。
何年来、部長の頭におさまっていたフリスビーは、始めて自由の身となり
美しい曲線を描いて
別の社員の手の中にすっぽりと納まった。
その後、 髪の毛は社員の手から手へ投げられ
「年末一大イベントフリスビー大会第一回」が始まった。
部長は取り返せずにあきらめたところ、ちょうどとなりの課長の目の前に
そのフリスビーが落ちたらしい。課長がそのフリスビーを頭にかぶるスピードは
光速を越えていたそうな。タキオン素粒子のレベルで髪の毛は課長の頭におさまった。
なんて素敵な液体だろう。

大人はこの液体を飲むと楽しくなって、頭に三角のトンガリ帽子をかぶってヨロめいたり
テレビ番組に参加して電話でクイズの答を聞いたりするらしい。
遅くなった時は駅前で寿司の折り詰めを買って帰宅したくなるそうな・・・不思議だ。
理解できないのはそのお寿司があると、家で怒られる危険性がぐっと減るらしいという現象だ。

噂だよ。僕は本当のところは知らない。

先月、始めてこの「Live Studio PECKER」で歌わせて戴いた時も、
その液体を体内に注入された男女あわせて4人の
お客様が、首から派手な花のレイを下げてお越し下さった。
僕は一発でテンションが上がったよ。すごく嬉しかった!
当然僕にも超能力が目覚め、その中のお一人の男性の方の名前が勝手に脳裏に浮かんで来た。
「ジョニー」さんと仰る方だった。
僕の不思議な力が宿ったステージをジョニーさん初め他のお客様たちも楽しんで下さった。
最高だったよ。


さて、今夜は前回そういう思い出のある「Live Studio PECKER」で二回目のステージ。
お客様が嬉しい事に、いつも港区の「照和伝説NAGOYA」で僕のステージを聞きに来て下さる
MASUMIさんやその旦那様。わざわざ遠いところをお越し戴いた。
そして、ruiのステージの厳しい監査役、ライブの夜は名前が変わる「ダメ出しのジョー」様。
それから、何と東京から久しぶりに岐阜に帰って、今まで仕事との折り合いがなかなかつかず
ruiのステージに触れる機会がなかった、のんこ様。rui★ginko初体験でした。

こういう僕の大好きな方たちに囲まれてのステージ。すごく嬉しかった。

出演者としてステージを御一緒してくれたのは二人。
まず、ピアノの弾き語りで可愛い歌を奏でる魅惑の歌姫「三毛」ちゃん。
彼女は今日お昼に、かのNHKの「おかあさまとごいっしょ!」で誰もが知ってる有名な
坂田おさむ先生とお会いされ、本人直々に先生の歌をステージで歌っても良いと許可を得られた
そうだ。先生のおっかけをしておられると言う事で、夢見心地であらせられる御様子。
純粋で可愛い女性でした。

もうお一人はハイテンションでファンキーな人気タレント「DOMIC」!
噂ではかねがねうかがっていたすこぶるご機嫌なステージを、今夜ruiは初体験いたしました!
もう、次から次へと繰り出されるネタ・・・?いや、歌の数々は笑いの誘発剤!
客席は興奮のるつぼ。DOMIC、飛ばします!
オンステージは止まるところを知らぬジェットコースターテイストの彼、一歩ステージを降りると
非常に礼儀正しい素敵な方でした。
ruiはそういう人が大好き。彼は一本のステージをつくるのにすごくこだわっている。
そして誠実でサービス精神満載のステージでお客様をわかせる。
僕は彼と出会って、そのプロ根性と普段の彼の真面目さに一気にファンになってしまった。
ずっと長くおつきあいして欲しいなあ。

ruiのステージは一時間程、長すぎたかしら?

でも、新しい曲も歌えたし、MCも短かかったし、大満足!

今夜は・・・おっと、明日は「照和伝説NAGOYA」でのステージ。
本当は今から出かけるのだけれどね。
今夜も熱い熱いステージを繰り広げます。
何だって?今夜の出演者は7人?

MCを短くしなきゃ。どうしよう?できるかな?
MCを短くするのは至難の技。コントロールするのは僕の力の限界を越えています。
そ、そうだ!こういう時こそ「あの液体」を飲んで超能力でもって・・・行って来ます!

2003.08.30

音楽担当 rui★ginko

Sat.

照和伝説〜灼熱の夏、蘇る!

昨夜のLIVEでエキサイティングな一夜を過ごしたrui★ginko。
まるで過ぎ行く夏の熱気を惜しむかのように、立続けに今夜もLIVEの熱い空間に身を投じた!

昨夜、あまり眠れなかった僕は熱にうかされていた。
DOMICの曲「マクドナルド」が頭の中をぐるぐる回っていたとか、そういうんじゃなくて・・・。
今夜のライブ会場に僕が到着するのは八時過ぎ。もうLIVEはとっくに始まっている時間。
そのわけは、イベントのお仕事が入っていて、N市から直接「照和伝説」に入る予定だったから。
でも、その仕事が先日キャンセルになった。
と、思いきや、よろこんだのもつかの間、結局、他の仕事に追われてしまった・・・という
「で、結局どうすんの?来るの?来ないの?」ってつんのめるような日になった。

洗濯物を干したり、ミステリーサークルを描いたり、大統領を護衛したりという誰もが日常で
行なっている何気ない仕事が、僕にも同じ様に山積みになって残っていて、今日こそ、その山
を登頂する為に使うべきだと頑張った。 しかしなかなかはかどらない。
夕方までかかって予定の半分程登ったところでビバークする事にした。
仕事をひとまず捨てて、LIVEで燃えるrui★ginkoに変身だ。

時計を確認するともう五時半、おっと!ヤバイヤバイ!焦らなくては!
今日のライブハウス入り時間は八時頃になりますと先日「照和伝説」に伝えてある。
でも、ここで連絡だけは入れておかなくちゃ。
ステージ上で池田さんに「遅刻の多いルイギンコ」と紹介されない為にも・・・ね?

僕は「照和伝説」に電話をかけた。受話器の中から聞こえて来た声に、僕は思わず姿勢を正した。
その声は僕の大尊敬するシンガー・ソングライターであり
「照和伝説」のプロデューサー池田利明大先輩の声であったからだ。

僕はいつもこの方と話す時は、たとえ電話であっても正座をして話す。
街角から携帯でかけていても、である。
先日、東急HANDSのファッションフロアからかけた電話に池田さんが出られた時でも、
僕はHANDSの床に正座をして背筋を延ばし、謙譲語で話し続けた。
ガードマンさんに連れて行かれた。

今日もその池田氏が直々にお電話口にお出におなられたのだ。
僕は言った。(その時の会話は謙譲語であったが、解り易くする為に
日常会話風に翻訳してあります。翻訳*戸田奈津子)

rui 「はあい!元気かい?マイク。僕だよ、ジョニーさ」
池 「おお!久しぶりじゃないかジョニー。俺は相変わらず元気さ。従兄弟のスティーブが
   今年の気候のせいで小麦が不作だと嘆いているぐらいで平和なものだよ。」
rui 「そうかい?それは良かったよマイク。スティーブも元気そうで」
池 「まあな。ジョニー、お前の方こそ元気だったか?」
rui 「ああ、先日、南大平洋を横断している時に大嵐にやられちまってね」
池 「そりゃあ大変だ。無事で良かったなあ。気をつけろよ。」
rui 「ありがとう。俺も反省したよ。船旅だけに・・・コウカイしたね。うわっはっは!」
池 「そりゃあいいや!相変わらずのベタネタのオヤジギャグだゼ。うわっはっは!」
・・・何だか叱られそうなのでやり直す。

おっ!そう言えば池田さん。
引っ越したばかりで、ずっとネット環境がなかったのだが、九月の五日ぐらいから
ネットがつながるようになるそうだ。
このままだとこのページを見られてしまう。あぶないあぶない。・・・いいこと、考えた。
彼には別のアドレスを教えよう。
そこで褒めちぎっておこうっと!安心安心、ふふふ。

さて、話は池田さんに電話をかけた時間に戻るね。その時の会話。今度は真実。

rui 「あ、もしもしルイギンです。」
池 「おう!お前だと思ったよ。大体いつも今頃、電話かかって来るからな」

・・・・・・見すかされている。
大体、ここのところ「照和伝説」に行く時に僕は池田さんと、もう1人、
クラシックギタリストの大嶋さんのコンビの大人気ないイタズラに負けている。悔しい。

一番最初は本番前の練習時。次は音合わせ中。この間なんて、お店に入ろうとした時点で、
合い言葉を要求されてすんなり入れてもらえなかった。(過去の日記参照してね)
今日はまさか、僕がまだ家にいるうちに何か仕掛けてくるんじゃないだろうな。
僕は注意して言葉を発した。

rui 「そうです、僕です。あの、今日、僕、入り時間が七時半ごろになるのですが」
池 「七時半!?」
rui 「え、ええ。先週伝えてあったのですが・・・。」
池 「よし!解った!じゃあ、今日は音合わせ無しなんだな?」

ここで、何故だか今日は「池田拓朗オンステージ」が聴けないんだな、と少し寂しかった。

rui 「はい、済みませんがぶっつけで・・・」
池 「よし!じゃあ、今日はお前ギター持って来なくていいよ。」
rui 「はあ?」
池 「お前、ギター持たずに今日は座って漫談やれ。それでいいよ」
rui 「ま、漫談?」
そりゃあ、まあ、僕はよくギター漫談と間違われる。でも、いくら何でも・・・いや、待てよ。
ここで負けちゃいけない。ようし、やってやろうじゃん!
rui 「解りました。やりますからね、僕は」
池 「よしよし。まあ、とにかく早く来いや!気をつけてな!」

優しい言葉で電話は切れた。 さあ、rui★ginko漫談頑張らなくちゃ。
僕は一応、ギターをおまけで持って、地下鉄に乗ったんだ。
まだ今日は今のところ、池田さんのイタズラに負けちゃいない。よしよし。
今日はクラシックギタリストの大嶋さんはお休みだから大丈夫。今頃、長野にいるはず。
いくらイタズラ好きでも長野からじゃ手は届くまい。しめしめ・・・。

ひとまずホッとして地下鉄の中で携帯を見て僕はドキッとした。 着信ありになっている。
電話番号をよくみたら「大嶋芳」・・・嫌な予感・・・なんだろう?

騒ぐ心とともに蟹江の自販機にペットボトルを忘れる事もなく
無事にタクシーに乗った僕は、恐る恐る大嶋さんに電話をした。時間は七時二十分。彼が出る。

rui 「あ、もしもし・・・大嶋さんですか?ruiです」
大 「ああ、ルイギンさん?どうも」
rui 「な、何だかお電話をもらっていたようなので・・・」
大 「今、本番中ですか?」
冗談じゃ無い。本番中には電話できんだろう?何をたくらんでいる?僕はガードを固め直した。

rui 「いえ、僕は今日仕事で遅刻なので、今、タクシーで向かっているところなのですよ。」
大 「えっ!なあんだ残念。」
残念?ザンネン・・・?ますます広がる不安。

rui 「あ、あはは・・・何が残念なのですか?僕にはわからないなア・・・あは」
大 「いや、ルイギンさんはいつもステージの時、時間を確認するのに携帯を使っているという情報を
   入手したものですから」
確かに僕はステージの時間を計る為に、ステージ上に携帯を持ち込んでいる。

大 「もしも本番中だったらルイギンさんの携帯電話を使ってステージに乱入しようと思いまして」

こ、こらあ!そこまでやるか。遠く長野にいるからと安心していた僕は甘かったのだ。
大嶋芳のイタズラ心は日本国内、何処に逃げても追って来そうだ。危険だ。・・・いや、でも、
いくら彼がイタズラ好きでも・・・ふふふ、身柄が長野ではどうしようもあるまい。
携帯を使うという作戦も僕の遅刻というイレギュラーで失敗に終わった。ふふふ・・・これ以上は
手出しできまい・・・。余裕をかまして僕は続けた。

rui 「残念でしたね、はっはっは・・・僕がそんな稚拙な方法で負けるとでも思っているのですか?
    甘いですね。まあ、これ以上は僕のステージを邪魔する事はできませんね。何をたくらんだっ
    て長野からじゃあねぇ・・・ふっふっふ」
大 「予定が変更になりまして、今、名古屋にいるのです」
rui 「ふっふ・・・ふへっ!な、名古屋ア?」
大 「はい、今日は中津川におりまして、明日はまた、早くから岐阜の方に行くのですが」
だったら、わざわざ帰ってくんなよオ〜!き、危険だ!ヒジョーに危険だ!rui★ginko危うし!

rui 「で、でも、きっとお忙しいのですよね。朝、早いとか・・・」
大 「そうですね。でも・・・ギターは持ってませんけれど、もしかしたらそちらに行けるかも」
こ、来んでいい!来んでいいから!明日の為に早く寝なさい!あ・・・あの、もしもし?電話は切れた。

ruiの心が言い知れぬ不安に占領された頃、タクシーは「照和伝説」に着いた。
お店はLIVEの真っ最中。裏から楽屋に回り準備だけを済ませ客席に回る。
マネージャーのMさんから耳打ち「後でルイギンに話があるんだけど」
池田氏、大嶋氏と、続けてプレッシャーをかけられた後だけに、僕の心はバクバク・・・
・・・ 何か怒られるんやろか?
僕を見つけてオーナーが近づいてくる。オーナー直々にお説教かしら? な、何でござりまするか?

オーナーは耳もとでささやくように。
「おはよう。あの、僕が座っていた席の隣のお客さんたちね。今夜、ルイギンの歌を聴きに来て
くれた人たち。後でお店のTシャツにサインしてあげて。」
オーナーは優しい笑顔で僕の顔を見ながら言ってくれた。僕は耳を疑った。

まさか?僕の歌を聴きに来て・・・くれた・・・?

オーナーは、とまどう僕の顔を、まるで父親のような表情で微笑みながら見つめてくれた。
「は、はいっ!ありがとうございます!」
入れ違いにマネージャーのMさんも、僕に同じ事を伝えに来てくれた。
まるで、母親のような笑顔で・・・・・・・言葉を、なくした。ただただ幸せで・・・。

 

僕の歌をわざわざ聴きに来て戴く・・・こんなに幸せな出来事。
僕はとても緊張してアガってきた。一生懸命、歌おう。
僕が隣に座らせて戴いたお客様のIさんもいつも僕の歌を聴きに来て下さる方。
僕を幸せな気持ちに導いてくれる。
カウンターにいつも陣取り、ステージをまっすぐ見つめ深く聴いてくださるYさん。
僕の「MoonLightBlues」という曲を「いい歌だね」といつも仰って下さる大切なお客様。
みんなみんな、僕にとって、幸せを感じるという気持ちのスイッチを入れて下さる大切な方々だ。
・・・言葉にできない感謝の気持ち。 今夜も精一杯歌います。
そう心に誓って途中で弦が切れたりしないように、張り替える為に楽屋に戻った。

チューニングをしていると池田さんが入って来た。
「おう!おはよう!今夜はお前、俺の前な。頑張れ!」
言い残して池田さんは、楽屋の扉から出る。
底なしの深い優しさで僕の事を可愛がってくれる池田さんの言葉を、
幸せな気持ちで受け止めてチューニングを続ける。すぐに池田さんが戻って来た。
「おいっ!ルイギン!お前の友達が来たぞ!」

友達・・・?誰だ?扉を開けて僕は立ちすくんだ。
涼しい笑顔でそこに立っていたのは大嶋芳、その人だった!

とうとう今夜も顔を会わせてしまった三人。
Mr.池田とMr.大嶋の「ルイギン増殖トーク」が始まった。
なぜか二週間程前から二人とも、自分の紹介の時に「ルイギンコです」と言うのだ。
なんで?あなたたちは僕のようなぺえぺえじゃなくて、すごい人たちなのだから
そういう事はやめて下さい、と言っても、このいたいけな僕をからかうのである。

今夜の会話はこうである。まず池田氏、大嶋氏を見ながら僕に。
「とうとう本物のルイギンが現れたか。ようしもうお前、帰っていいよ」
・・・か、帰っていいよって・・・?
僕はもう本番前だからチューニングに忙しいんだ。
何だか知らないうちに、今夜も本番前に苦労してるぞ、オイラは。

大嶋氏の言葉。
「いや、今夜はルイギンさんのステージに乱入しようと思って、
途中から車を捨てて自転車できました」
自転車ア?そう言えば世界のクラシックギタリストの格好じゃない。
黒いキャップにTシャツ、半ズボンである。どう見てもハイキングの帰り道だ。
それに、僕のステージに乱入する為にわざわざ自転車飛ばしてまでくるかあ?
アナタ、明日本番でしょう?

池田氏。
「そうか。まあ、一応、俺と大嶋君はルイギン1号と2号だから。
元はコイツか? な?」チューニングで焦ってる僕に向かって
「いいか?お前がいなきゃ俺たちはいないんだ。お前は分母なんだ。
俺と大嶋君は分子だから」
あ、あの・・・もう解りましたから・・・。
僕はもう出番が迫ってるんだよ。早く準備をしてもう一度前の出演者の方のステージを
聴いて心を落ち着けるんだから。
楽しそうに笑っている二人に向かって僕は言った。
「とにかくrui★ginkoは今は、チューニングをする時なの。」
それを聞いた池田氏。
「おう、大嶋君行こうゼ。こんなヤツ、もう、友達でも何でもねぇや」
・・・ 笑った笑った!・・・捨てゼリフを残して扉から出て行った二人に、
僕の心はまた、幸せな気分で一杯になったのでした。
この人たちと知り合えて本当に良かった!

準備を終え、客席に回った僕のところに音響ブースから池田さんが近づいて来た。
こ、今度は何だ?おもむろに僕の耳元で・・・・・・「シッコ」・・・トイレに入って行った。
そんな事、いちいち報告せんでいい!
それとも、僕が一応ルイギンの分母だから、分子の彼らはトイレに行く時でも
報告する事にしたのだろうか?そうか、僕はエライんだ。よしよし。
トイレから出て来た池田さん。また僕にぴたりと身を寄せる。
何だ、今度は?トイレ終了の報告か? ・・・無言で僕のTシャツの袖で、トイレに行った後の手を
拭いて去って行った。
こらあっ!僕は、え、エライんだぞっ!

僕の前の出演者、美しい歌声の村松愛子さんのラストの曲。
楽屋に回ろうとした僕と同時に大嶋さんが客席から立ち上がった。ま、まさか本当に・・・?
「大嶋さん、どちらへ?」
「ルイギンさんとステージへ」
うはは・・・。 彼は約束を守る男だ。ただ・・・その約束は彼1人で決めたものだ。

でも、僕は思い付いた。楽屋に向かって彼と歩きながら打ち合わせをした。
僕は今夜、池田さんの御命令通り「漫談」をやる訳だ。
ショーに入る前にやはりドラムロールのような音楽が必要だ。
大嶋さん、盛り上げる音楽できる?・・・僕も恐れ多い事を言っているものである。
大嶋さんは「はい、できますよ」わお!これで決まり!

僕達は本番二分前に打ち合わせに入った。 さて今夜のrui★ginkoのステージの時間がやってきた。
客席の灯りが落ち、ステージ上のスポットに照らし出されたのは・・・
・・・ ruiのギブソンを抱えた大嶋・・・いや、ルイギン1号である。
彼が華麗な指捌きで弦をあやつる。ギブソンも普段はruiに、無茶苦茶弾かれてるから、
今夜は何となく幸せそうである。

まず、ジャンジャジャジャ〜ン!という景気付けの一発・・・のはずが、
ルイギン1号は華麗にクラシックの名曲を演奏している。こ、こら。こいつめ。
僕も負けてはいられない。何しろ本番中だ。
言葉を発さずにマイムで(ここらあたりは役者涙銀子の得意技)曲が違うゾ、と指摘。
何度か彼に「ジャン!」とやりなさいと説得を続けたら、やっとファンファーレらしき音。
さすが世界のロメリスタ!すかさず間をつかんでrui★ginko。

「はい!大変長らくお待たせ致しました。今宵、rui★ginkoギター漫談ショーに
ようこそお越し戴きました!」
ruiが今夜、漫談をやるはめになった経緯を説明しているうちに、
大嶋さんは、またいつの間にか名曲を弾き始めていて、これが終わらない上に華麗すぎる。
またまた、ruiのトークが切って入る
「はい、ここで、かの有名な大嶋芳の名演奏をお聴き戴きましたが、
そろそろこのあたりで」・・・終わらない。

「え〜と、お聴きいただきま・し・たがっ!」・・・終わらない。ますます華麗に奏でられる。

ruiは大嶋氏を睨み「過去形・・・ま・し・た・・・だから、もうオシマイなのっ!」
しぶる大嶋氏にマイクを渡して御挨拶をしてもらい、やっと楽屋に引っ込んでもらいました。
心の中では、すごく感激していたruiでした。

残ったruiは漫談では無く一生懸命歌い続けました。

いよいよ池田氏の登場です。
今夜の池田さんは、すごく格好良かった。
まず、僕が長くステージをやりすぎて、客席がまばらになったお客様を、
すべて前の方の席に座らせて歌い始めました。
そして、MC。客席に残っているのは出演者といつも聴きに来て下さる親しいお客様ばかり。
その真ん中で池田氏は言いました。
「僕達はたかだか音楽をやっているだけで、それ以上のものではないのです。
でも、お客様が拍手をしてくださる。・・・考えてみて下さい。
例えば自分が作った歌・・・本当なら自宅の部屋の中で、1人で作り1人で歌っていた歌を、
こうして人前で歌い、その曲をこうして聴きにわざわざ来てくださり、
しかも、拍手までしてもらえる。・・・・・これは、すごい事だと思います。
お客様が僕達の作った歌に、拍手を下さるのです。

・・・音楽をやっているから特別な事をしているつもりになっているとか、
俺の歌を聴かせてやってる、っていうミュージシャンには
この「照和伝説」で歌ってもらわなくてもいいと思っています。

下手でもいい、音が外れていてもいい、
誠実な、自分と音楽の関係を大切に思う人たちに、ここで歌ってもらいたいと願っています。」

彼の言葉はとても熱かった。 客席に残った「照和伝説」を心から愛して下さっているお客様と、
そこに本当に歌いたいという気持ちだけをぶら下げてやってきたミュージシャン達の心に、
その言葉は深く深くじっくりとしみ込んでいった。

季節を少し乗り遅れてやってきた夏のかけらが、
「照和伝説」の店内に今年最後の熱風を送り込んだ瞬間だった。

2003.08.31

■イベント担当
吉田さん

Sun.

ドラ○もん〜憧れとの出会いvol.1

はい、イベント担当の吉田でございます。
先日の「マル一昼夜電視台」の折には、沢山の方からの励ましの御連絡を戴きまして、
本当にありがとうございました。
吉田、歳のせいか最近めっきり涙もろくなりまして、すぐに目頭が熱くなってしまうので
ございます。まあ、大人ですから我慢いたしますが。

さて、本日は再び、一週間振りのN市にてイベントの日でございます。
今日は何と!私が永年憧れておりました方と、とうとう御会いできる日でございました。
夢が叶ったわけでございます。


吉田が初めてこの業界に入った時、驚きましたのはやはり、
普段、テレビの中でお見かけする事しかできない方々と実際に御会いできるという幸運の
日々にでございました。余りにも世界が違うので呆然とした事がございます。

私の初仕事。イベントに関わらせていただいた初めての舞台は、
バイトをしておりましたタレント事務所のイベントで「歌のお兄さん」を努めさせて戴く
お仕事でした。

名古屋市からさらに北の方、春日井市にあります大きなスーパーのオープン記念イベント
でございます。
新しい水上ステージの上で子供さんたちの歌を何曲か歌わせていただき・・・あれ?・・
・・ ・これは音楽担当のrui★ginkoでした。時々、混乱いたします。
ruiはそのステージで歌ったわけでございます。
その昔、流行っておりました「襲え!タコヤキくん」ですとか「ニッポンでも妊娠」ですとか・・・
アニメの主題歌「夢中専科ヤマモト」というのもありましたねえ。
最近、涙もろくなった上に記憶力が低下して参りましたので、
もしかしたら題名が間違っているかも知れません。

その初ステージの折、ゲストとして、ある女性タレントさんが来場されました。
ruiは信じられない気持ちで一杯でした。
何故ならその方は、ruiが中学生の頃からずっと憧れて来たタレントさんだったからです。

中学生の時、クラスで評判になり、バカにされる程、
ruiはその人の事を想っていたわけでございます。
この時期の憧れのタレントさんと言えば、もう、恋愛感情そのものです。
寝ても醒めてもその人しか見えません。テレビ番組は彼女の番組しか見ません。
レコードだってすべて買いそろえます。
雑誌に載っている写真はどんなに小さなものでも切り抜き秘密の箱にしまいます。
東京に行けば会えるのだと家出を考えます。だんだん現実味が希薄になって参ります。
もしかしたらどこかで運命的に出会えるのではないか、
一言でも言葉が交わせるのではないかと。
妄想は膨らみます。
結婚できるのではないか!といきなりとんでもない所までいっちゃったりします。

ruiもその例外ではありませんでした。
彼はそのタレントさんと会うために芸能界に入ろうと考えました。
中学生の考える事ですからどこか単純です。
彼の芸能人になる夢が心の中に強く刻まれたのは、そのタレントさんと会うためという
まことに 不純な動機からでした。

彼はどうすれば芸能人になれるのか知りませんでした。だから苦しみました。
歌手になろう!と、歌を勉強しました。お芝居もしてみようと思い付きました。
足も伸ばしてみようと無駄な努力をしました。顔を良くしようと神様にお願いしました。
イエス!タコスクリニック!
と神様はわけのわからない事をおっしゃいました。顔は諦めました。

やがて、高校で演劇部と陸上部に同時に所属し美術部に遊びにゆくという
「プチ七変化」を実行していた彼は、
とうとう自主コンサートを企画して歌い出しました。
それがきっかけでruiは
先ほどのタレント事務所に所属するはこびとなったのでございます。

彼は夢を忘れてはいませんでした。いえ、やっと念願かなっての芸能界入り。
事務所の所属のタレントさんはみなさんテレビやラジオでよく知っている方ばかり。
そして、念願の初仕事。
ステージイベントでの「歌のお兄さん&MC」
いきなりの大仕事にもruiはびびりませんでした。
なぜなら、これはほんのワンステップ。
彼にとってはその先に、憧れの彼女と実際に会って結婚する、という大事業が
待っているからでございます。

彼は初仕事の日、意気揚々と現場に向かいました。

今、スタートしたんだ!僕は今、階段の一段目に足をかけたのだ!
彼女といつか出会うために、これからこの芸能界で長い旅をはじめるところ。
今日はその記念すべき日だ。
たぶん・・・彼女に出会うためには膨大な時間がかかるだろう。
でも、どんなに長い道のりでも僕はくじけないぞ・・・。
いつか必ず、彼女に会って結婚するんだ!

こころに堅く決めてruiは現場に到着。イベントの告知看板を見ました。
そこに、彼女の名前。

もう逢っちゃった・・・。

何と短い道のりだった事でしょう。
何と簡単に夢がかなってしまったのでしょう。
初仕事の当日、
憧れの目的の人と同じステージに交代で立つ事となったのでありました。

 

でも・・・ruiは彼女と結婚できませんでした。 何故なら、
舞台袖で彼女とすれ違っても挨拶ひとつ言い出せなかったからでございます。
とにかく、彼女が近くにいるというだけでアガってしまって、
ruiはただのマネキンと成り果てたのでございます。

ステージが終わり、彼女が帰ってゆかれます。
ruiは切ない思いを胸に立ち尽くしておりました。
今でも、時々テレビで彼女の美しいお姿を拝見する度に、ruiの心には
あの日言い出せなかった一言が蘇るのでございます。

僕と結婚してください・・・・・・。

 

その後もruiは芸能界の隅っこの方で、
小銭をめぐんでもらいながら暮らしておりました。
さまざまな方との出会いがありました。彼は出会いに恵まれていると感じます。
でも、今日のイベント会場でお会いできるこの方だけは、特別中の特別、
夢のような方でございます。
今は、ruiも吉田となり、
めでたく本日の感動の出会いを果たせるわけでございます!

その方とは!未来からやってきたロボットの方です!

今、お話していても興奮が醒めません。
その方は未来の方ですから、不思議なアイテムをいっぱい持っておられます。
「ここでもどやー?」とか「たいむピロシキ」とか「竹小豚」とかでございます。
もしかして間違っていたらごめんなさい。

初めて御会いさせて戴きました。
小さくて丸くて青かった・・・正直な感想でございます。
この方にはお友達がたくさんおられますが、
本日はこの方おひとりでお越しになられました。
この方がこんな中部地区まで来ておられる間、あの○○太君は大丈夫ありましょうか?
○ャ○○○君や○ネ○君にいじめられているのではないでしょうか?
私は気が気ではありませんでした。
もしかしたらクラスメイトの可愛いシ○○ちゃんは○○ス○クンと
仲良しになってしまっているのではないでしょうか?
それどころか○○○○ンと○○○○○は心配して○○○○○さんを探して・・
・・・ ・伏せ字ばかりで理解不能になって参りました。ごめんなさい。

まあ、そんな風に心配ばかりしていた吉田でございますが
せっかく御会いできたこの瞬間。
このひとときを大切にしたいと思い、一心にその方のお姿を見つめておりました。

夢とは儚いもの。
叶ったひとときがすべてであります。
私の心に、かつてruiがあの女性タレントさんとお話すらできなかった
後悔の気持ちがすべりこんで参りました。
そう、この瞬間しかない。
今、このひとときしか・・・・・・。

ステージを終わられ、楽屋テントに入ってこられるあの方に向かって
私は勇気を出して話しかけました。

ruiの失敗をくり返してはならない・・・。

「わ、私と・・・結婚して下さい。」

「・・・・・・・。」

     

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