大長編〜負けるな!ケツカッチン!
はい、こんにちは。吉田です。
おや?今日は土曜日じゃないの。どうしてイベントが?とお思いの方もおられると存じます。
はい、日曜だけでは無く、土曜日にも当然、イベントが入る時がございますよ。でも、今日
は現場ではなくて打ち合わせでして、はい。今日も行って参りましたN市の方へ。
普段は事前に打ち合わせの為だけに出かけるという事は滅多にないのですが、今回は特別
イベント、夏に日本全国的に開催される「マル一昼夜電視台」の打ち合わせでございます。
昨年も御世話になりましたが、なかなかこれが大変でして、皆さんこの日はマル二昼夜ほ
とんど寝ずに働かれます。御苦労様でございます。かく言う私も家に一旦は戻るものの、
そのまま眠る事のないまま再び現場に出て参ります。
昨年もすでに疲れがピークに達しておりました二日目の朝、現場に出る前に同じイベント
東京方面で、ずっと走っておられたT.Nさんのお姿を拝見いたしまして、私も頑張らねばと
出かけた次第でございます。
本日は明け方まで、広告担当ルイギンコが仕事をしておりまして、少しだけの眠りの後、
電車の時刻がやって参りましたので出かける事にいたしました。
予定が一杯、ケツカッチンの一日がすでに始まっておりました。
私はどんなに忙しくても冷静沈着をモットーとしておりますので、先日のルイギンコの日記
のように物事が裏目に出る事は滅多にございません。
まず、最初の予定。高級本革の手帳でスケジュールを確認いたしました。お昼の11時過ぎ、
いつも御世話になっておりますイベント会社のH井様と現地の近くの喫茶店で待ち合わせ。
お食事を御一緒させて戴く予定でした。
余裕をかまして私は悠然と服を着替えようといたしました。ところが連日の曇天続き。
着て行くべき服が洗濯機の前に、うずたかく積み上げられております。
冷静な私はこれくらいの事では動揺いたしません。
クローゼットを開け手に触れた服を着て、今日のダンディぶりを鏡で確認。
鏡の中にはパンキッシュで危険な匂いをほとばしらせた吉田さんが立っていました。
い、いけない!イベント営業用の衣装はすべて洗濯篭の中。
ライブ用の衣装しか残っていなかったのです。・・・・・わ、私は大丈夫。
ここで焦る事など持っての他。私のプライドが許しません。
何とかおとなしめの服装を選び、厳かに着用。荷物を確認。
自分でも恐ろしい程に完璧です。
資料も忘れずに。自分でも惚れ惚れするようなクールさです。
おもむろにドアを開け、ドアに鍵を・・・見当たりません。
鞄の中もポケットもどこにもありません。時計はもう出なくてはならない時刻ジャスト。
私は落着いて靴を脱ぎ散らかしてキッチンに戻り、クールに冷や汗をかきながら探しまくりま
した。
こういう時に限って何故この居場所を選ぶのでございますか!とどなりつけさせて戴きたく
なるほどの場所に鍵はひっそりと息を殺しておりました。私は、鍵によくこういう目に合わさ
れます。
エレガントなしぐさで私はことさら鍵をゆっくりとかけました。
マンションの下に降り、自転車置き場に行って気がつきました。
本日夜には、実は音楽担当rui★ginkoのライブがあるとやらで、大きな荷物を・・・ギター
ってんですか?あれをこの私がわざわざ担いでまで出かけるはめになっております。
いつもの自転車で地下鉄の駅に向かう時間しか予定していなかった私は、今日は自転車に乗れ
ない事実と今まさにこの瞬間、直面させられましたが大人ですから泣かずに駅まで歩きました。
競歩状態になっていたかも知れません。
切符のお釣を機械が数えている間に、地下鉄は行ってしまいました。
切符売り場にギターを忘れて取りに戻っているうちに、二台目が行ってしまいました。
H井さんに電話をかけておこうとした時に地下鉄が入ってまいりました。
H井さんの電話にコールしている途中で地下鉄が発車して不通
になってしまいました。
・・・・人生素敵じゃありませんか。
名鉄名古屋駅、切符を電光石火で買い。ホームに行くと飛び乗りました。
これで、ぎりぎり間に合う時間・・・。油断するのは早かったのです。
途中乗り継ぎの待ち時間が長い。遅れると判断した私はタクシーを降車駅に呼んでおきました。
冷静です。クールです。パーフェクトです!
N市Y駅についてタクシーに乗り込み車の中でも心は走っておりました。でも・・・・・遅れて
しまいました。結構ハマる時は気持ち良いくらい裏にハマる吉田でございます。
H井様はとてもお優しい方で、先日、rui★ginkoのライブをその会社の方々と御一緒に聴き
に来て下さいました。
本日、約束に遅れ、さらに余計な荷物を担いでいる私をご覧になってもお許し下さいました。
そのお心の深さに吉田、不覚にも思わず落涙致した次第でございます。
いよいよ打ち合わせに入ります。おおっ!ハムスターさんが今日もお優しい笑顔でお迎え下さ
っているではありませんか。こっそりとハムスターさんの御協力の元にギターを魔法で消しま
して、何くわぬ顔で打ち合わせに入った吉田でございます。
一つのイベントには本当にたくさんの方々のお力やお時間がかけられているのだなアとつくづ
く思いますね。本日は本番前の最終打ち合わせと言う事で、一通り現場がまわせる様にチェッ
クをしなくてはなりません。皆さん、真剣にお話し合いをしておられる中で、ひとりぼーっと
しているのは吉田だけでございました。でも、本番ではがんばりたいと心に決めております。
午後三時頃になりましてもまだ、皆さんお忙しく働いておられる。吉田には刻一刻と名古屋入り
する時間が迫って参りました。ウィステリア様(掲示板御参照下さい)のおっしゃるタイムリミ
ットも、何だか解りませんが迫って来ておるようです。しかし、こちらの方の時間はもうギリギ
リというところまで来ております。
その時、H井様の一言が出ました。
「吉田はこの後、ケツカッチンですので、宜しくお願いいたします」
おおっ!何と有難いお言葉。私はそのお言葉に救われまして、ひとりお先に失礼させて戴く事
となりました。本当に心苦しく感じながらも、イベント本番当日は、命をかけてでも頑張り通
す事を胸に固く誓いながら・・・。
N市に流れている大きな川。そこに大きな橋がかかっております。
吉田は真夏の日射しの中、背中にギターを担いで長い橋を渡っております。
名古屋に戻る為、Y駅に向かって・・・。
蝉時雨が遠くから届きます。
ふと子供の頃の記憶が蘇ります。
しかし、その感傷にふけっている場合ではないのです。
時間に追われる毎日。
自分が好きで選んだ道。
その道で出逢ってくれた人々。
その人達の優しさに背中を押してもらいながら、 一歩ずつ歩み、
倒れた時は支え起こしてもらいながら、
ゆっくりゆっくりと僕、rui★ginkoは今、歩いているんだ。
僕は改めて背中のギターを担ぎ直した。
名古屋市港区に二週間ぶり。歌をぶら下げて向かう。
前回、一時間半もの時間、ステージに居座り続けてしまった僕は反省の意味を込め、曲数を減ら
した。しかし、どう計算しても今夜は二時間かかる・・・変だ?何がいったい・・・?名古屋に
向かう電車の中で僕は悩んだ。 そして僕は次の瞬間、もうネタはバレているだろうが気がついた。
MCが長過ぎるのだ。
何しろ二週間の間、様々な事があった。どう考えても全てを話すと上方古典落語「東の旅」よ
りも長くなってしまう。僕が悩んでいるうちに名鉄電車は名古屋についた。
本日のライブ会場「照和伝説NAGOYA」へ入る時刻は過ぎている。
すでに四時半。 あわてて近鉄の切符を買う。改札に走る。駅員さんにホームを聞く。
ホームに走る。電車がすでに入っている。飛び込むと同時に発車。 車内の十分程の時間。
今日のステージのイメージをする。
蟹江駅到着。タクシーに駆け込む。運転手さん話好き。僕も話好き。気分を救われながら
「照和伝説NAGOYA」へ着。
二週間ぶりの心の故郷。随分長い間会えなかった顔。広がる安心感。
池田利明さん。シンガー。ソングライター。「照和伝説NAGOYA」支配人。プロデューサー。
その歌声は時に切なく同時に熱く、聴く人の一番深いところをめがけて響いて来る。僕は
こんなに優しい人に出会った記憶が無い。池田さんにこのホームページの話をした。すぐさま
クラシックギター奏者の大嶋さんに「おい、俺と大嶋君の悪口を書いて発信してるそうだぞ」
僕も口が悪いけれどこの人にはかなわない。
大嶋芳さん。世界的なクラシックギタリスト。「スペイン・ギターの王族」ロメロファミリー
門下で十年以上に及び直々に師事。合衆国、カリフォルニア州立サン・ディエゴ大学音楽学部
演奏科卒業、音楽学士号修得。す、すごい。僕はこの人と一緒に毎週土曜日「照和伝説」で同
じステージに立たせて戴き、帰りは御一緒して戴き、僕のどうしようもないクラシック音楽に
対する質問に丁寧に応えて戴いている。ステージのMCはいきなりのラテン語である。日本語
があまり得意では無いと言う。なのに、ラテン語を全然知らない僕が楽屋で話していて、もの
すごく話が理解できるのは何故?もしかしてそんなあなたはお茶目さん?
今日のステージにどれくらい時間がもらえるか池田さんに聞いたら「30分」
おっと!やはり、まずかったのか前回の乱闘が・・・と、思ったら、何と今夜は出演者6人。
持ち時間綺麗に割ってお店終業時間一杯いっぱい。力のあるお店には人が集まってくるのです。
本日トップrui★ginko。二番手、明るい女性歌手、真中愛菜さん。三番手、驚異のロメリスタ
大嶋芳さん。確実なバッテイングで二塁打。クリーンナップの猛攻が始まる。四番バッター、
誰もが待ち望んでいる実力派シンガー、美幸さん。飛ばす飛ばす。五番、「照伝」新ジャンル
下ネタ担当(こらこら)Dick佐々木さん。別のモノも飛ばしました。そして大トリ、我らが
池田利明さん。本日すべてのステージのシメ。これだけ強烈な濃〜いライブ空間を徐々に自分の
世界に引っ張って、聴かせ笑わせ泣かせて見事ライブ最高潮に盛り上げてシメてくれました!
さすが!
「照和伝説NAGOYA」でのステージはruiにとっていつも中身が濃いのだけど、
今夜は特に濃すぎて粘着力も強かった。
まず、池田さんと大嶋さんが本番前から変だった。
池田さんはリハーサル段階で、何かおかしなところのスイッチが入ったのだと思う
「レトロモード」になってしまい、次から次へと懐かしい歌の連発。
本番前に新人の僕が真面目に練習しているところにまでやって来て、僕を脅しギターを奪い取っ
てビートルズから演歌まで勝手に歌いまくり。新曲まで作る。迷惑な先輩です。
その横で大嶋さんが年代物のギターでそれに合わせて演奏。場所がステージだったらまだ納得。
お店の裏の空き地。田圃に向かってだよ。蛙に聴かせとんのんか?
大嶋さんは生っ粋のクラシック世界の住人。モー娘。は聴きません。岡林も知りません。
池田さんの歌う懐かしい歌の全てを知りません。美空ひばりはどうですか?ああ、名前だけ
何となく・・・。これマジです。
この二人の先輩方に関しては詳しい情報やエピソードを(こっそり)発信する予定。
とにかく変な人たち。でも、ふたりともすごい!
僕の友達のジョーさんが、体調を根性で持ち上げてタクシーで駆け付けてくれるそうな。
初めて来る場所なので果たして間に合うか?必死になって電話で誘導する僕の携帯に何故だか
クラシックの音色が・・・・・・大嶋さん!
「僕、今、必死なんですから」
「いや、BGMをと思って。」
「・・・・。」
普通、世界的なギタリストはこんな道ばたで演奏しないぞ!
僕のステージ開始の1分前にジョーさん到着。お店に案内して、そのまま走って楽屋に回り、
ギター引っ付かんでステージに。ほ、本当に、これ、本番?
ステージ終わってホッとしたのもつかの間、スタンバイ中の美幸さんから謎のひとこと。
「ginkoちゃん。私のステージの最後に名前呼ぶから、帰らないでね」
な、何が起こると言うのだ。
ruiは覚悟してその時を待った。そして美幸さんの聴かせるステージが最高潮に達した時
「ここでちょっと・・・ginkoちゃん」き、来たっ!
恐る恐るステージに上がる僕に「ツイストできる?」「ツ、ツイストォ?」
踊りも歌もからっきしダメな僕はビビりながらも名曲「ダイアナ」を御一緒させてもらいま
した。感激!
他のミュージシャンの方達のお話も一杯ある。中身が濃すぎてキリがない。
実際に生で触れて戴くのが一番。
しかし、 徐々にそれらの模様はここで語られてゆくでしょう。
心して待っとれ!マブダチ真中愛菜ちゃん。Dick佐々木!いいぞ!飛ばせ!
気がつくと自分のステージの記憶はほとんど残っていない。それ程、強烈な夜だった。
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