rui★ginkoの.................2003.07.20 start!

★この日記は才能もないままいろいろな事に手を出している僕が時々書く記録です。
 執筆は演劇関係役者担当涙 銀子.戯曲演出担当るいぎんこ.そして音楽担当rui★ginko.広告業界担当ルイギンコ
     イベント業界担当吉田さんその他の分野担当ルイギンがお送りする何ら意味のない世界です。
     不定期更新か三日坊主。そこんとこヨロシク!

      ★カレンダーのタイトルのところをクリックすると、その日の日記に飛べます!
      飛べない人はごめんなさい。もうすぐ直します。

2003.07
Sun. Mon. Tue. Wed. Thu. Fri. Sat.
13 14 15 16 17 18 19 照和伝説NAGOYAライブの夜
20 イベント会場は大賑わい 21 デザイナーは寝ている。 22 書物の森は生きている。 23 24 気分はいつもアナーキー。 25 板取村は大騒ぎ(前編)準備中! 26 板取村は大騒ぎ(後編)準備中!
27 影であやつる悪玉 は誰だ!! 28 神様のいたずら 29 幻視の力は贈られた。 30 31キラメク星座の祈りの果 てに    

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2003.07.19
■音楽担当
rui★ginko

sat.

照和伝説NAGOYAライブの夜
幸せな夜ってあるもんだね。
何気ない普通の、退屈ではない程度の平和な夜がほとんど毎日、人生の八割ぐらい。
時折、思い出す度に「ウンギャッ!」と叫んで、思わず飛び上がってしまう後悔にさいなまれる夜が10%。
やりきれない程に長く感じる辛い夜が2%。
残りの8%ぐらいの中に、とてつもなく幸せな瞬間をむかえる宝物をふくんだ夜がある。

今夜は、そんな夜でした。

久しぶりに音楽活動を再開、歌いはじめようとした僕が一番最初にたずねたのが
名古屋市港区にある「照和伝説NAGOYA」である。
カレンダーをちょっとだけ確認したけれども忘れもしないあれは、今年の六月の二十一日の土曜日の午後八時の事だ。
近鉄戸田駅で電車を降りた俺はただひたすら地図をたよりに、どこまでも続く田圃の中の道を
「照和伝説」を目指して歩いた。そして・・・道に迷った。
不安にちょっぴり泣いたボクタンは涙を拭って再び、俺になって歩いた。
あたりには街灯が無い。ほとんど真の闇に近い道路をさぐり足で歩いている時、メールが届いた。
ようやく闇に慣れてきた俺の眼に、携帯の眩しい液晶の光りが 一杯に広がった。
あたりの景色は不意打ちのコントラストにより一層深き闇に沈んだ。道を踏み外し田圃に落ちた。
再び俺は・・・・・・ボクタンになったのさ。

こういうどうでもいい話で日記の最初の日を汚しつつ俺は歩き続け・・・・「照和伝説」に着いた。
そして、関係ないけどこういうライブのトークと同じ調子で日記を書いていると大変なエネルギーを使う事にも気がついた。不定期更新に・・・決定した。>業務連絡。

そこは、まるで楽園だった。その内に長い歴史を秘めている。
ドアを明けた俺はその場所の持つ言葉にならない巨大なエネルギーに思わず、立ち竦んだ。

池田さんが歌っていた。 彼の切なく激しくそして熱い声で「その場所」は素敵に満たされていた。
すぐさま俺の心に結論が生まれ、俺はポケットの中のデモテープを密かに握りしめたのさ。

その日からちょうど一ヶ月目の今夜 「照和伝説」での四回目のライブ。
「その場所」での、幸せな夜はやってきた。

この一ヶ月の「照和伝説」での時間 の密度が凝縮されてステージの俺に降りそそいでいた。

ここで出会えた音楽と人。そして、とんでもなくへたっぴな自分の姿。
そんな自分の背中を押して一歩ずつ歩かせてくれた「この場所」にあるエネルギーに包まれつつ俺は歌った。
下手でも丁寧に歌おう。チューニングもできる限りあわせよう。喋りはいつもより多めにしよう(これは秘密ネ!)
一曲一曲の俺の歌はお客様に届いたのか?「この場所」を支えているオーナーや池田さん始めMさんやMさん(あれっ?)そして愛おしいHちゃんにも届けられたのか?
その答は、これからゆっくりと明かされるであろう。急ぐ事を嫌う時の神の手の中で。

はい、・・・てなわけで今夜のライブは一時間半もやってしまった。 反省である。
そんな馬鹿な狼藉者のrui★ginkoの事を大先輩の池田さんは怒りもせず
自分のステージで折につけ僕についての話をして、暖かく応援してくれた。
僕は「照和伝説」の片隅であなたの姿が涙で霞んで見えなかったんだよ。本当にありがとうございました。

池田さんのマネージャーのMさん、僕に声をかけに来てくれてありがとうございました。
いつも御世話になってる素敵なMちゃん、優しく見守ってくれてありがとうございました。
そして忙しい時間の中、ステージを終了した後の僕に、今日のステージはとても良かったよ、と
わざわざ電話をかけてまで伝えて下さったオーナー、ありがとうございました。
それから、僕のステージの時に嬉しい声をかけてくれたHちゃん、帰りがけに挨拶した僕にとっても美しい笑顔で応えてくれた顔が忘れられません。本当にありがとうございました。
いつも客席から見守ってくださるお客様1人1人に心から、ありがとうございました。これからやっと歩き始めます。

rui★ginkoはステージ奥のタペストリーにサインをさせて貰えた今夜を忘れません。

   
■その他担当
ルイギン挨拶
  今夜から書くよっていっていた日記、いきなり、深夜になってる。しかも翌日。どうだ!これからよろしく。
2003.07.20
■イベント担当
吉田さん
sun.

イベント会場は大賑わい

はい・・・てなわけでイベント担当の吉田です。初めまして。よろしくお願いいたします。

rui★ginkoは最近、毎週土曜日にライブ活動を行なっているそうな・・・。そういう噂が私の耳に届きましたのは先月の末ごろだったでしょうか。あ、そうですね。先月の27日でした。ええ、間違いありませんとも。私、カレンダーをちょっとだけ確認いたしましたが忘れもいたしません。
え? 私が?
ruiに似ているって?冗談じゃありません !私は彼の様な半端な男ではありません。
何しろ私の仕事はイベント会場のDですから。これは半端じゃ勤まりません。ええ、そうですとも。

そう言えば今朝も不思議な事に、私がイベント会場についた途端にいきなり、いつも御世話になっているイベントのスタッフの皆さんから「吉田さんってライブの時は激しいんですってね。聞きましたよ」と言われ、何の事か解らないままぼんやりしていた私ですから。私が激しい気性だなんて・・・そんな、イベント会場で迷子になっているお子様がおられましたならば、一緒になっておろおろして最後には泣いてしまう様な私ですから。

それはさておき、私が通っているイベント会場はN市にあります。名古屋のちょい東。大きな河が流れるゆったりとした良い街です。
私は、ここに通い始めて、もう一年半になります。初めてここにうかがった時は、そうそう、忘れも致しません、あの方と御一緒させて戴きました。ほら、え〜と、最近、テレビによく登場される「ガッツ!」だか「ケッツ!」だとか言われる・・・誰でしたっけ?私、テレビをあまり見ませんので、流行には弱いものですから・・・名前は失念いたしました、ごめんなさい。あの方、とてもおとなしく物腰の柔らかな素敵な方でした。礼儀正しい方でしたね。

それから約、二年の月日が流れ、ずっと御世話になり続けている訳でございます。本当に感謝しております。

イベントというお仕事に始めて関らせて戴いたのは、私が十九歳の時。名古屋のとあるタレント事務所にアル バイトで所属していたのが始まりです。
その事務所での体験は芸能界に憧れていた田舎者の私にとっては、まったくの夢の世界。まさに不思議の国に迷い込んだアリスの心境でした。・・・・いえ、別 にアリスの気持ちは知りませんが。(時々、適当な話をしてしまうところはrui★ginkoに似ているのかも知れません)しかしながら当時の私が驚いたのは真実でございます。

そこでの仕事は歌のおにいさん、しゃべりのおにいさん、そして・・・キャラクターショーの時に入るわけです。
え?なんですって?
入ると言えばお判りでしょう。企業秘密で大声では言えませんが、ほら、キャラの中にですよ。
あ、このホームページは五歳未満は閲覧禁止ですからね。そういう方はここをクリックして下さいね。大人の方もクリックしましたね?そこのあなた。
彼は私がイベントでお子様たちと交流を深めた経験のすべてを駆使して開発したキャラクター「だいじょうぶくん」です。靴がぬ げているので、あまり大丈夫には見えませんが、彼は底力(そこぢから)を持っているのです。当時の私にはイベントというお仕事は・・・・・・・・え?何ですか。
よく話しかけますねあなた。どんな底力か気になる?
いや、私は今日はイベントについてお話している訳ですし。私はこの日記のイベント担当の吉田でして、底力担当はまた別 の人間がいますから、はい。彼に聞いて下さい。

当時の私にとってイベントという世界は華やかな世界でありましたが、それだけではなく、それを支えているのは大変な努力と厳しい礼儀に裏打ちされた 人生勉強の場でした。この世界でいちばん大切な礼儀を、技術を、そして表現を、人とかかわる時に必要なものすべてを教えて戴いたと言っても過言ではありません 。

その後、私は自分でフリーとしてイベントプロモーションの仕事を始めました。それらの仕事は現在でもほそぼそと続けております。また、それらについては、いつかお話できる日がある事でしょう。

今、御世話になっているイベント会社様からも、様々な事を教えて戴いております。事務所に戻った時点でたくさんの方々と御会いします。皆さん、とても良いお顔をなさっておられます。
そして、その会社の方々、Tさん、Hさん、Sさんはじめ皆さんが私にいろいろな事を教えてくださいます。おそらく今、イニシャルをあげているのは、この方々について時々、ここでお話をする事もあろうかとの伏線です。でも、安心下さい。決して御迷惑をおかけするようなお話は公開いたしませんから。こっそりとメールで配信するだけにとどめますゆえ。


今日も一日、イベントのお仕事の中で様々な感想を持ちました 。今日は暑かったです。以上。
おやすみなさい

     
■底力担当
るい金庫
  えっ、俺も出番あるの?
2003.07.21
広告業界担当
ルイギンコ

mon.

デザイナーは寝ている。
れいほ〜・
はじめまして、デザイナーのルイギンコよ〜!ヨ・ロ・シ・ク・
最近全然仕事してないわ。何故って売れてないからよ〜。今日だって一日中眠ってたの。
目が醒めたら夕方だったわ。自分でも驚いたわ。何て情けない事かしら。恥ずかしい。
もういっその事、王子様がイバラをかいくぐってキスをしに来てくれるまで、起きなければ良かったわ!
・・・・・・・・・・・・・このキャラしんどいかも知れないわ〜。

ところで、こんなワタシだけど、先週はすんごく忙しかったのよ。何故ってたまたま売れてたのよ。
アタシはフリーで仕事をしているから、忙しい時と暇な時の落差が激しいの。
で、どういう訳だか、仕事が詰まってる時に限って、イソギの仕事が入ってきたり、
ケツカッチンで打ち合わせが入ったり。修羅場を生きている時が多いの、こう見えても。

先週はほとんど眠れなかったのよ。お肌が荒れ荒れ。
まず、いつも御世話になってるクライアントさんの、イラストのお仕事が入ってきたかと思ってたら
加えて、今年のお正月にやったホームページの仕事の追加が入ったの。
それだけで手一杯なのに音楽担当のrui★ginkoがライブを三本も入れてたのよ〜!
もう、パニック!アタシ。でも、逃げないわ!頑張る!

って思ってさっそく仕事にとりかかろうと思ったら、またまた、普段から御世話になってる代理店様からイラストのお仕事が入ったの。うわあ!どないしょ。これ、でけへんやんけ!(あ、アタシの心の声は関西弁なの)と思って、ひとまず焦ってイラストを何点も描き飛ばしたわ。
締切は全部三日後か四日後。そんなん有り?有るのですアタシの回りには。
もう、先週の中頃にはフラフラだったの。でも、金曜日と土曜日にライブがあって、日曜日にはイベントのお仕事があるから、眠らなきゃいけないし。でも、デザインのお仕事は徹夜をしても完成するかどうか・・・。う〜ん。

とうとう最後の金曜日は睡眠三時間で仕事を完成。そのまま、rui★ginkoにバトンタッチ!
夜にライブで暴れたらしいわ。よくやるわね、彼も。
その晩はまた、すぐ眠ればいいのにこのページのアドレスを公開してしまったからと言って家に帰って来てから作業をしていたみたい。そして、四時間程眠って土曜日のrui★ginkoはライブをしたらしいのよ。しかも一時間半も。どうしようもないわね!ぷんぷん!
さらにその晩は夜中の三時に帰って来て、朝、五時起きでイベントの仕事があるから、今から眠ると起きられないと言って、結局眠らずにイベントの現場にいったのよ〜!ぷりぷり!
イベントが終わって家に帰ってきたのが深夜の十二時頃。でも、その頃、このサイトを訪れてくださるお客様が増えてきたのが嬉しくて、彼はそのまま日記を書いたり、レスをしたり。
次の日の明け方にふらりとベッドに倒れました。

絶対、変よね。
このページだって急に思い立って始めたし。え?ホームページはお前の仕事じゃないかって?冗談じゃ無いわ!
こんなデザインセンスのないホームページは、私の仕事とは言えないわ。

このページは元々、彼が・・・彼って言ってもどの彼か解らないけれど、・・・あ、今、気がついたわ、彼じゃなくてワタシだわ。ややこしい。ワタシがホームページの仕事を始める前にソースやタグの初歩的な勉強をはじめようとして、二年程前から、こっそりサーバーにのっけておいたページが、このホームページなの。人には見せない前提で。だから、勉強用に
とりあえず、写真を個人的なもの張り付けたり、リンクが無茶苦茶だったり・・・。
あまりにこのままでは恥ずかしいから、そろそろアタシが、この秋までにはリニューアルして、ビジュアル的にももう少し見られるページにしようと思ってるけれど・・・いつになる事やら。

てな、感じの先週だったから、今日は眠ってたの。
久しぶりにいっぱいお話して疲れたわ。もう眠るわね。お・や・す・み★

     
■その他担当 
ルイギン
 

今日は上に書いてあったように目覚めたら夕方だった。記憶の片隅に何かしなくてはいけなかったな、と思いつつ、その内容が思い出せないままに腹が減ったので起き出した。
ふと見ると、テーブルの上に小さなケーキがおいてある。お、いいところに食べ物が。
コーヒーを飲んでケーキを食べて満足した俺は、突然、思い出した。
今日は休日。しかし、女房は緊急出勤。小学五年生の息子はお休みであるから、俺が食事の世話をしたり、面 倒を見る事になっていた日である。家の中を探したが誰もいない。
あれれ?

夕方、友達の家から帰って来た息子に、恐る恐る聞いてみた。
「今朝、食事どうしたん?」
「今朝、朝御飯を食べてからママを見送ってお昼までひとりで遊んでた。パパを起こしても起きないから、寝かせといてあげたよ。そいで、お昼になっても起きないから、仕方ないから僕がコンビニに行ってお昼御飯(注*ケーキの事らしい)を買って来て、自分で食べて、パパの分があるよって起こしに行った。う〜んって起きそうになるから、説明しようとすると、また寝ちゃって・・・こりゃダメだ、と思って友達のお家に行った。」
「・・・・・・・・・・。」
「覚えてる?」
「はい・・・・何となく」
「そか」

そう、俺は眠りの中で聞いた息子の声を思い出した。今から友達の家に行ってくるからね。
御飯はテーブルの上においてあるから食べてね。行って来ま〜す。

俺は・・・何と呑気な 父さんだ。息子よ、もうお前に教える事は何もない!

2003.07.22
戯曲演出担当
るいぎんこ
Tue.

書物の森は生きている。
私の住処は書物の森の奥に在る。
そこに光が差し込む事はあまり無い。
森は私の文章を書く仕事の際の道標としてそこに在る。
何年も前から微動だにせず、書架の同じ位置に薄く積もった埃とともに眠っている書物。
ほとんどの書物がそうである。
つまり、私は買って来た書物の中身を全て読んだ訳では無い。

しかし、ある事柄について調べる必要性が生まれた時、昼なお暗き書物の深い森の中から、
私は迷わず狙った一冊を抜き出す事ができる。位置関係が頭に入っているのである。威張っている訳では無い。自慢している訳では断じて無いが、少し得意げだったらごめん。
こんなに謙虚な私を、深く傷つける出来事がある。
ずっと手に入らず長年探していた本と、本屋で偶然遭遇し、喜びとともに即、購入。
書斎に戻ってから、本棚に同じ本がすでに並んでいる事に気がつき、呆然とした事が6回程、有った。以前買った事を忘れていたのである。位 置関係どころか存在すら、頭に入っていなかったのである。三冊同じ本を買ってしまった時は、開き直って1巻、2巻、3巻と背表紙にボールペンで書き、並べてみた事も有る。空しかった。

私は広告のコピーを書いていた事もある。
企画書を書いたり、エッセイを書いたりした事もある。
それらは数枚の紙幣に化け、吉野家やココイチで優雅なディナーを楽しむ事もできる。
しかし私の書いている文章の中で、唯一紙幣に化けない原稿がある。

「戯曲」という。

戯曲とは演劇の脚本、シナリオのような物である。
ここまで語れば私がどういう立場の人間であるか、お解り戴けると思う。
スマップのメンバーではない。・・・・・その通り、デビュー直前で断った。
モー娘。のメンバーではない。・・・・・なっちのファンクラブには入っている。
まして、ギター漫談をする芸人では絶対にない。劇作家として・・・・生きている。
・・・間を取る必要はなかったが・・・。

掲示板に劇団員が登場してしまった今、もう何も隠す必要はなくなってしまったが、最近、書けない。否、書けないのではなく・・・他の事をして遊んでばかりいる、とでも言おうか・・・・・・ふっ。
聞こえるか?私の胸の慟哭が。見えるか?私の瞳に映った夕映えの切なさが!
倒置法で叫び続けるように私は生きているのだ。今日もまた。

戯曲の書けない私を取り残して、
ただ、書物の森だけが増殖して行く日々。誰かの声が聞こえる。
「テレビが本の山で見えないしトイレに本棚を持ち込むから狭いの。自分の部屋だけなら良いけど、生活空間までどんどんはみ出して寝る場所が無いでしょ・・・もう。捨てなさい!」

誰かの声が深い森にこだまする。
書物の森は生きている。

     
    広告業界担当ルイギンコ「ちょっとお、なあにこれ?この馬鹿みたいな文章は誰なの?さいて〜。」

その他担当ルイギン「演出戯曲担当のるいぎんこだとさ。」

ルイ「何が劇作家よ。自分が本が書けないのを言い訳してるだけじゃ無いの。どこが日記よ。」

ルイギン「それは昨日のお前も一緒だろう。」

ルイ「まあっ、失礼ねっ!?私には寝坊した事実があったのよ!きいー!こんな馬鹿な男と一緒にしないで!ぷんぷん!」

ルイギン「でも、最後の方の誰かの声って、実際に彼は何度も言われてるらしいよ。」

ルイ「今日の事じゃないでしょ!それにコイツ駄 目だわ。文章が暗いモン!プリプリ!」

?「俺もそう思う。」

ルイ「きゃっ!あんた誰?」

ルイギン「あれ?初対面だったっけ?底力担当のるい金庫。」


底力担当るい金庫「ども。」

ルイ
「何よお、なの〜!
担当って!」



ルイギン「昂奮すんな。俺も存在を忘れてたんだけどさ、出て来たんだよ一昨日の日記の時に。で、それ以来、ずっとスタンバイしてるそうだ、こいつ。」


ルイ「こんなの日記じゃないわ!どうせこんなコーナー三日坊主で終わるわよ!プププんのプン!」

ルイギン「今日で四日目。」


ルイ「えっ?」
100アクセス突破三日坊主!

ルイ「ふ、ふうん・・・。」


ルイギン「でも、今週の金曜日から二日間、山の中にキャンプに行くから更新お休みだと。」

全員「何がしたいんじゃ!」
2003.07.24
広告業界担当
ルイギンコ

Thu.

気分はいつもアナーキー。

最近物忘れがひどいの。きっと何かの間違いだと思うけれどオ・・・。

だってそんなの、アタシのイメージに似合わないでしょ?全然。
いつも瑞々しい感性を携え、次々と華麗な作品を世に送りだしているこのアタシが、数々の取材に応えながら
「最近、アナタのお仕事ぶりに何か変化は?」「物忘れが多くなりました」
なんて。口が裂けても言えないわ。
サングラスを頭にのっけたまま、「めがねめがね」と一所懸命捜しまわっている横山やすしそっくりのアタシ・・・。
何かを取りに勢い良く仕事場に飛び込んできたのはいいけれど、
何を探しに来たかわからなくて呆然としているアタシ。どういう訳だかピングー型の貯金箱をその手にしっかり握っていたりするともうアウト。その意味すら解らないのよ〜。
一番よくあるのはあれね。コンビニ。
何かを買いに来たに決まってるんだけれど、お店に入った瞬間、あれっ?何買いに来たんだッヶって思い出せなくて帰りにはわけのわからないイカの薫製とか握りしめてるのよ。さらに追い討ちをかけるかの様に、家に着いた瞬間思い出すの。あ、ぴあを買いに行ったんだ。ぴあだったのよぴ・あ!何でそれがイカの薫製になるの?情報誌と頭足綱十腕目の軟体動物のミイラとは何の共通 点もないでしょ!それとも何!?イカが教えてくれるとでも言うの?サザンのチケットの入手方法とか!!!! ・・・ごめんなさい。興奮して。

そんな体験なんてこのアタシに・・・・告白するわ。一日に三回はあるわね。

止めて!そんな風に言うのは!お止めなさいっ!その言葉は!
そんな筈ないでしょ!?この美貌と若々しい感性をキープしているアタシに対する最大の侮辱よっ!撤回なさい!・・・・・・・・・・あ、空耳?そう?・・・疲れてるかも、アタシ。

感性や思考が澱んだ時には刺激が必要なのよね。
そんなアタシが最近受けた二つの刺激があるの。
アタシの友達にジョーさんって女の子がいるんだけれど(詳しくは掲示板をのぞいてね)どちらも彼女がくれた情報。今日はそのうちのひとつを御紹介するわ。

彼女が教えてくれたお店がPARCOにあって、今日初めて彼女がそこに連れていってくれたのよ。
もう、お店の中に一歩足を踏み入れた瞬間、全身を電撃がつらぬいたわ!
何と刺激的なお洋服の数々。鋭く刹那的な美がそこにあったの!
それらの作品はh.NAOTOさんのデザイン。そのブランド名が「h.ANARCHY」
きゃー!素敵よっ!アナーキーよっ!今の時代の未来を裏返しに予見するかのようなブランド名。
おびただしい量の横文字に彩られたパンツ。アルファベットの曼陀羅。それらはまるでプリントされることを拒否しているかのようにかすれている。
ビジュアルモチーフは髑髏や蟻。蟻よ、アリ!何なの!これは?
ジョーさんなんて、少し遅れてそのお店に着いたアタシにいきなり御挨拶もせずに一枚のTシャツを示して言うのよ。
「これ、何に見える?」
見ると小さなつぶつぶが無数にあって、それらの集合体が抽象的な形をなしているの。一瞬、何かの顔に見えたのだけれど、ようく見て気がついた。それはずべてアリさんだったの。アリさんたちが数え切れないくらい、そのTシャツの柄としてプリ
ントされていたの!きっと、誰かがチョコレートパフェをくっつけたか何かしたのよね〜。

とてつもなく刺激的。メッシュ素材と革のハーモニー。信じられない!

h.NAOTOさんは1977年生まれ。22歳で2000年春夏コレクションでデビュー。数々のブランドを立ち上げているのだけれど「h.ANARCHY」のコンセプトはパンク。[LOMDON PUNK]なファッションは過激で破壊的。磨耗や破れ。廃虚の美学に魅了されて自分を見失うの。

アタシはかつてデザイナーを目指していた時に刺激をうけた人物がいるの。その人の名は浜野安宏。
日本人の感覚にサイケデリックブームを導入したひとり。感覚の解放、認識の拡大なんて全然わからなかったけれど、その人が書いた一冊の本に影響を受け、何度も読み返していたわ。
「質素革命」と題されたその本は、当時のアタシにとってまさに革命だった。
華美に走るファッションを質素にベクトルを向ける事により人はなぜ服を着るのかという根本的な問いかけまで、アタシに投げ付けたの。
それ以来、ファッション関係でアタシがとことんイッちゃッたような人は現れなかったけれど、今回、ひさびさに出会った。そんな感じがする人がh.NAOTOね。自分が着られるかどうかはともかく・・・。

アタシは実はデザイナーの癖に服装のセンスが無い。力を入れて叫びたくなる程「ないっ!」
かつて誰もが知っている有名ブティックのオーナーと仕事の打ち合わせで会った時に、仕事の話よりもアタシがその日着ていった酔いどれている内に船においてけぼりにされた船乗りのような格好(想像してネ)を評価されている時間の方が長かったくらいだから。すごいでしょ?

センスの無さは今に始まった事じゃないから自分では気にしていないけれど、お仕事には差し支える時があるのよね〜。やっぱり自分の納得した服装をしていないとぎくしゃくしちゃうの。
最近ではモノトーンの地味な色目を好むアタシだけれど、少し前までは派手だったわ。ピンクやオレンジなんて大好き花子よ!似合っているかどうかなんて問題じゃないの。
世間様にどう思われても服装は自己表現なんだから、自由でいいの。金髪も最近やめたけれどいつでもなってやるわよっ!別 に喧嘩売らなくてもいいんだけど・・・。
気分が沈んでいる朝、これから仕事で誰かと会わなきゃならない、なんて時にはわざわざショッキングでブリリアントでキャッチーでピッチャーな服装をしていくわ。あ・え・て!
クライアントは驚いて椅子から転げ落ちるわ。その隙に高いギャラを契約させるのよ。ふふん。

h.NAOTO。一度、彼の作品に触れてみて欲しいナ。
そこには、滅びに向かうものたちの運命を自ら背負い退廃に向かおうとするエネルギーの美しさと、
さらにその彼方にある蘇生の予感を信じさせる強さがある。

アタシも早く蘇生して物忘れだけは治さなきゃ。

2003.07.27

■イベント担当
吉田さん

Sun.

影であやつる悪玉は誰だ!

はい、こんにちは。イベント担当の吉田です。早いもので一週間があっと言う間に過ぎ
またまたイベントのお仕事の日がやって参りました。
昨夜は夜中に名古屋に帰って来まして、眠る事も無く、イベント会場に出て行くはこびとなりましたが、今日も一日頑張らせて戴こうと気合いを入れて参りました。

現地につきまして、いつもイベント会場で御世話になっておりますハムスターさん(掲示板御参照下さいね)に「お疲れさまでした。星が綺麗だったでしょうね」とお声をかけて戴き、「えっ!山奥でキャンプしてた事、御存じなんですか?どうして?」と聞き返しましたなら、このサイトを訪れて下さっていました。嬉しい事に今朝、家を出る直前にINDEXページに書き込んだ一言を読んで下さっていたのですね。「毎日覗いてますよ」と仰って戴いて、感謝の気持ちで一杯になりました。
カウンターがあがってゆく度に、吉田は幸せな気持ちになります。 なかなか、更新が追い付いていかないのですが、焦り過ぎず自分のペースで丁寧に発信して行きたいと思っております。
時々、変わりますから皆さんチェケラってみてくださいネ。Oh! Yeah! でございます。

本日は朝から大変良いお天気でした。そんなイベント会場に彼らがやって参りました。
そう!誰もが知っているヒーローK.R!イェ〜イ!ぱふぱ・・・・・・?
イニシャルトークでは盛り上がりませんでしたね、お許し下さい。
K.Rの中でも5×3にバージョンアップした彼らはとても人気があり、何を言っているかさっぱり解らなくなってまいりました。

私は子供の頃から職業は「正義の味方」と硬く心に誓っておりました。今、念願叶ってイベントやデザインのお仕事の合間にそちらのお仕事も人知れず行なっております。秘密にしておりますが
正義の味方担当のGINKO仮面 は日夜世直しの為に戦っているわけでございます。

     
    「やあ!みんな!正義のヒーローGINKO仮面 だよ!よろしく!何だか僕は、今、思いつきで生まれた様な気がするけれど気のせいだよおおっ!ハッハッハ!しゅぱああああっ!」

「おや?現れてしまいましたね。最後の「しゅぱああああっ」っていうのは何をしたのか全然意味不明ですが、元々彼のすべては秘密のヴェールに包まれているのですから仕方ありません。ご了承くださいませね」

「と、いうわけで・・・僕は・・・」

「おあっ!
ま、まだ居たのですか?!私はてっきりしゅぱあっ!って言うから消えたと思ってました」
「ハッハッハ!できる訳ないじゃないかあッ!そんな器用なォ!」

「そんなに力を入れて喋らなくても聞こえてます。ところで最近どうですか、御活躍の方は?」


「ボチボチやねェ。あ、ついこの間、アイツやっつけたよ!アイツ。さそり座の怪人」


「えっ!あれは
音楽担当rui★ginkoの曲の中に出て来る登場人物で、きっと誰も知らないから、この話題は盛り上がらないとは思いますが。一応ここに歌詞がありますからリンクしておきましょうね。で、どうでした?手恐かったですか?彼は」

「う〜ん、ただのオヤジだね。僕にしてみたらボブ・サップに締め技をかけられている程度だったね」

「むちゃくちゃ苦戦してるじゃないですか!」

「いいんだよ、最後は金で解決したから。ハッハッハ!」

「はっはっはじゃないですよ。じゃ、また彼は現れるわけですね?あなたが負けたから」

「僕が負けた?う〜ん・・・・そっか、そういう考え方もあるんだなア。でも、大丈夫だよお!」

「気安く請け負わない!説得力ないですねえ、あなた。しかし・・・そうですか。
彼がまだ無事だと言う事は・・・今夜あたりも現れるわけですね。名古屋の錦三あたりの繁華街に」


「特に今、彼は金持ってるからね。ハッハッハ!」


「ハッハッハじゃないって!自分で渡しておいて。・・・・・こうなったら私が自分で・・・」


「何をぶつぶつ言っているんだい!?何も心配いらないよォ!」

「いや、あなた何だか頼りないから・・・」

「何だとッ!こ、この僕が頼りないだって!子供の頃から正義の味方になる夢をひとすじに追ってきたこの僕が!」

「だって、活躍してなさそうですもん」

「現代社会にくすぶる悪を、影になり日なたになり退治しているこの僕に、その言葉は挑戦状を叩き付けたも同じだ!
こ、こ、このヒーローに対する、さ、最大の侮辱だあッ!いいか!人類がどうして毎日平和に暮らせるか、君は一度でも考えた事はあるのかっ!」


「い、いえ・・・・するとあなたが何か・・・」


「僕は考えた事があるぞっ!何でだろ〜って。結局、解らなかったッ!」


「・・・具体的に平和の為に働いた話じゃないんですか?」


「おう!そういう事も勿論あるさ!アリは踏まない」

「・・・は?」

「交差点で友達にあっても手を上げて挨拶をしない。間違えてタクシーが止まると可哀想だからさっ!!」


「あの、もしもし・・・?」


「そして、電車のつり革をふたつ同時に使わない!」


「もう、すでに、本来のテーマから外れているのですが・・・」


「大丈夫だ!安心しなさい!」


「・・・あなたもバージョンアップした方が良いかも知れませんね。5×3に。今のままじゃ。全然、駄 目ですから」

「な、何を言うんだ!この僕を改造するというのかっ!さてはお前!さそり座の怪人・山本さんの手下だな!」

「わけ
のわからない事言ってないでもう少し真面 目にやってくださいよ。それに山本さんて誰なんですか?」

「さそり座の怪人の正体だ!僕だけが知っている、名刺交換してもらったからだあああっ!くっそーっ!こんなところに手下がひそんでいたとは・・・僕も迂闊だった!覚悟しろっ!」

「ちょっ、ちょっと、何するんですか!私は今、忙しいんです。今日のイベントの報告書を書かなくちゃならないんですよ。」


「問答無用!とあっ!」

「や、止めて下さい!私は山本さんの手下じゃないし悪役でもないのですから。あ、痛!」

「言い訳をするな言い訳をををっ!」


「やめて下さい。仕事の邪魔をしないで下さい!」

「仕事?」

「そうですよ。毎週イベントの仕事の後には、その日の報告書を提出しなきゃならないんですよ。特に、今日はヒーローモノだったから、売り上げを計算して納めなきゃならないので。時間が無いのですよ」

「売り上げって?」

「ヒーローのサイン色紙やグッズを販売したお金です」。

「何?ヒーローって儲かるのか!ようし解った!君との戦いは今度にしよう!僕は必ず戻ってくる!君のような悪を倒す為にさっ!覚えておくんだねッ!ハッハッハ!ドタドタドタドタドタドタドタ・・・・・・バタッ!」

「あっ、転んだ。・・・・・・・しかし、どうして私が悪者にならなきゃいけないんでしょう?
謎ですね・・・・。まあ、いいや。

さて、とんだ時間をくってしまいました。ええと、報告書はこれで良し、と。あとはお金ですね。ヒーローたちが頑張って働いたお金ですから、私が・・・・・
・・・・・・ そうか、ヒーローを働かせて、自分は何もせずお金だけ を持ち帰ってくる・・・。
こんな私って・・・やはり・・・・・・悪役?」

---------------
     
    「・・・はい、いらっしゃいいらっしゃい。今日は僕のサイン色紙、安いよ〜。
あ、どう?そこのお店から出て来たお二人さん。いいご機嫌だねえ。色紙、どう!いらない?・・・・あ、そう。
あ、あなたは?・・・・・・そう。・・・・あ、これはこれは、山本さん・・・・・・・・・・・・」

2003.07.28
■広告業界担当
ルイギンコ

Mon.

神様のいたずら

ちわっ!またまたアタシよ〜!

出番が多いのは何?デザインの仕事をしている日々が多いと言う事?
いえいえ、そ〜うではありませぬ〜(誰?今、アタシに取り憑いたのは)アタシの出番が多いのは、
仕事がなくって毎日暇そうにしてるからでしょ?解ってんのよ〜!

さて、今日はあっさりと書くわね。
アナタは体験ない?今日は朝から何だかツイてないなアって感じる日。
何をやっても間が悪い一日ってあるのよね〜。
アタシ、結構あるのよ。それも、自分でいうのも何だけれど、レベル高いわよ!情けなさの度合いに関しては。

大体、仕事がらみの時が多いけれど、それはきっと、土壇場であせってて注意力が散漫になり、集中力が希薄になって、判断力が低下しているところへ万有引力が重さをかけ合わせたものに比例しているからだと思う。アタシに残された力って、あとは魅力しかないんだわ。
きっと、そう。

今じゃデザインのお仕事も
コンピュータっていうとぼけた名前の機械でやる事が多くなったでしょ?
そいつが腹が立つのよ!ほら、今だって「はらがたつのよ」って入力したら「原が龍野よ」って書きやがるのよ。龍野って誰よ!原って知らないわよ!何の用事で龍野に呼びかけてんのよ。用事を教えなさいよ、用事を!・・・・・・・・ごめんなさい。冷静になるわ。

そのとぼけた機械はよくフリーズするのよ。ここ一番、締め切り間際であせってる時に限ってね。
一生懸命、仕事を制作するじゃない。時間がないから、つい幾つものソフトを、同時に立ちあげてデータをやりとりするでしょォ? メールが入るのが携帯の転送でわかるでしょ?今、かかってる仕事の指示だと思って思わずメーラーまで立ち上げるでしょォ・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・ 止まるのよ。

過去三十分程の作業結果が固まってるのよ、目の前で。
細かい作業だとつい夢中になってセーブを忘れるのよ。
どう考えても無理なのよ。どうしていいか思い付かないのよ。
思考も同時にフリーズしてるのよ。

とりあえず落着く為に珈琲を淹れに行くのよ、キッチンに。猫が騒ぐのよ。お腹を空かしてるのよ。我慢できないのよウチの猫は。主人が主人だからわがままなのよ。仕方なく餌を出す為に冷蔵庫をあけるでしょ?予測がつくと思うけれど缶 詰が切れてるでしょぉ?キッチンの開きを開けて硬いカリカリの餌を出すでしょう?猫にあげるでしょ?・・・・・・・・食べないのよ。
挑みかかる様にニャーニャー鳴くのよ〜。本当にでかい声なのよ。うるさくて集中できないから上着を羽織るでしょ?何の為かわかるでしょ。近くのローソンまで行かなきゃなんないのよ、アタシは!こんなに焦ってるアタシなのに! 何があっても行かなきゃ、な・ん・な・い・のよっ!!!!!

・・・・・・・・小銭がないでしょ?

・・・・・・・・財布あけたら、お札もないでしょ?貧乏なのよアタシは。
仕事の缶詰で銀行に行きそびれてしまってるのよ。百円も持っていない自分に三日間も気がつかなかったのよ!完璧に経済社会から隔絶されてたのよ!
銀行まで走る時間がないでしょ?女房に電話するでしょ?へそくりの在り処を聞き出そうとするでしょ?怒られるでしょ?
何とかなだめて一万円借りるでしょ?金額がでかすぎるでしょ?アタシは一刻を争ってるの、今、この時この瞬間!お釣を店員さんが数えてる時間も惜しいぐらいの売れっ子なの!でも、貧乏なのは何故?

とにかく走るでしょ?店員さん顔なじみで話しかけてくるでしょ?時間が無いの!ベビースターラーメンの種類が増えた話なんてどうでもイイの、アタシは!!!猫缶 つかむでしょ!お金投げ出すでしょ!一万円からおあずかりいたし・・・「から」はおかしいでしょ!「から」は!!
・・・怒りの鉾先が乱れまくりでしょ!

はい!帰った!!猫に缶詰め。そもそも、キッチンに何しに来たんだッたかしら?あ、そうそう珈琲ね。落着こう、おちつこう・・・大丈夫・・・おちつ・・・けないでしょ猫が鳴いて!!
アタシが缶詰のふたを開けるの忘れてるから、食べられなくて怒ってるのよッ!!

やっと珈琲が入って一口飲んで落着いて来たわ。気分だけでも落着こうと新聞に目を通 すでしょ。
テレビ欄で気づくでしょ。あ、この番組を録画セットしなきゃ。あと三十分ではじまっちゃうわ!
良かった間にあって。えーっとコントローラーは・・・ピンポン・・・って卓球じゃ無くてお客さん?は〜い。強面 の新聞の勧誘でしょ・・・ビビりながら断るでしょ。トイレにいくでしょ。テレビがつけっぱなしになってるから消すでしょ。猫が無くでしょ。まだ、餌が足りなかったでしょ。二杯目の珈琲注ぐでしょ。新聞を開くでしょ。テレビ欄をのぞくでしょ。あ、そうそう録画予約しなきゃ。あと十五分で始まっちゃうわ良かった間に合って。既視感に捕われるでしょ?デジャ・ヴについて考えるでしょ?

心の不思議について考えるでしょ。
命の貴さについて考えるでしょ。
人類の存在について考えるでしょ。宇宙の大きさに思いをはせるでしょ。
神様について考えるでしょ。アタシは神に見守られているって 感じるでしょ?
日々こうして呑気に生きていられる幸せを感じるでしょ?
たいした努力もしてないのに恵まれてるでしょ?
せめて努力ぐらいはしてみようかな、と思う
でしょ?頑張らなくっちゃって思うでしょ?心が綺麗になるでしょ? 一生懸命に働かなくちゃって思うでしょ?
ようし、頑張って仕事をしよう、何しろ神様に見守られてるんだから、って
仕事場に入るでしょォ・・・・・・

・・・・・・・・・・・ ・・・止まってんのよ。

2003.07.29
■その他担当 
ルイギン
Tue.

幻視の力は贈られた。

とうとうヤラれちまった。
皮肉な運命の歯車に巻き込まれたようだ。

今夜九時半、名古屋市名東区の住宅街で俺はヤツと遭遇したのだ。
俺は自転車にまたがっていつもの様に気分爽快だった。今からデザインの仕事の資料を届けに行くところ。後ろの荷台に広告業界担当ルイギンコの野郎を乗せながら快適に俺は飛ばしていたさ。
大通りからわずかに逸れて目的地がある。大きな通りからコンビニがある角を左に曲がり、
細い路地の急な坂道を登り切ったあたりだ。学校があるのだろうか。夕方などはその坂を上から
沢山の学生たちが下りて来る。俺はいつも自転車のスピードを緩め、彼らをやり過ごす。

今夜もそうだった。その最後の曲り角。
コンビニのある路地に差し掛かった俺はスピードを落とし、
信号待ちの邪魔にならぬ様、インコーナーぎりぎりを狙った。
坂道は建物で死角。
曲がり切るまで見えはしない。
絶妙のコーナリングで曲がり切ったと思った俺の目の前2m。
坂道を猛スピードで突っ切って来た野郎と鉢合わせをした。時間が歪んだ。
真正面に突っ込まれ加速度のついたヤツの衝撃を
俺の全身が受け止め体が空中に吹っ飛ぶ場面がよぎった。コンマ何秒の判断。正面 だけは躱せ。
脳の奥で俺が叫ぶ。前輪を左に切る。コンビニの壁が左肩をこする。逃げる隙間を失った瞬間、
ヤツのハンドルに光る金具の突端が俺の右薬指の肉をえぐり持ち去った。

鋭い痛みが体を突き抜けた。半分倒れた自転車をかろうじて支えながらライブの事を思った。

---------------

気がつくと野郎が自分の自転車にまたがったまま不安そうにつぶやいていた。
「大丈夫ですか。大丈夫ですか」
俺は左手で動かなくなった指をかばいながらうずくまりつつヤツを観察した。
ちょいとずんぐりした体型に眼鏡をかけたふくよかな顔が乗っている。修羅場をくぐった事もない育ちの良さそうなボンボン顔がそこにあった。まだ、自転車にまたがったままでいる。
そんな姿勢のままそれでもヤツは、本気で心配している様だ。俺は呆れた。

みんなそうなんだ。
情報は認識できるのだがその先へと処理するすべを知らないのだ。
誰にも教えて貰えなかったのだろう。 必要性を感じた事も無かったのだろう。
そこに起こった事柄は認識できても、
その状況に対してアクションは起こせないで戸惑うだけなのだ。そして、忘れる。
明日も生きてゆけるのだ。そういう生き物として。

集中する超能力と想像する超能力。そのふたつのチカラがいつか
未来の俺達の脳髄の片隅で、微かに明滅するだけの切ない電気信号になってしまわない様に。

祈るのみ。


動けなくなった俺にヤツの気配が感じられた。
傍らにヤツが立っていた。やっとの思いで自転車から下りて来たのだ。
俺は心の中で叫んだ。ブラボー!それでいい。

俺は途切れ途切れになってしまう言葉を探しながら話そうと試みた。
もしも俺じゃなかったら、もしも子供だったら、もしも老人だったら、 もしも・・もしも・・・。
無限の未来のパラレル。その集合体の全てではなくとも片鱗を垣間見る事はできるだろう。
自分の立ち位置から自分の行くべき場所は選べるだろう、自分の意志で。
その力はお前に与えられたのだから。
そこにお前は今確かに立っている。
未来を見通す事を許された能力を神と等しくたずさえながら。

現実にもヴァーチャルにも・・・・・・真実は無い。
すべての真実は俺達の中に内在する幻視の中にのみあるのだ。

2003.07.31
■役者担当
涙銀子

Thu.

キラメク星座の祈りの果てに

おいおいおいおいおい・・・・みんな次から次へとシャシャリ出て来てよく喋ってくれる
じゃねェか。
いいかよく聞け。そもそも手前ェらが気安く使ってる「ルイギンコ」って名前ェはな、
このオレが最初に使ってた名前ェなんだゼ。よおっ、解ってんのか!そこんとこ。

まあ、オレもさ。実際ンところ迷ってんだけどさア。ん?そりゃあそうだろ。いい歳をしてギンコはねェよなギンコは。
オレ、この日記にずっと登場しなくて何やってたかってェと、考えてたんだよ、新しい名前ェをさ!驚いたろ、え?広告担当のギンコ様。へへんだ。ざまア見ろってんだ。ケッケッケ・・・。

おう?・・・そうだよ。本来は漢字で書くんだよ「涙 銀子」ってな。
まあ「ギンコ」はクエねえが「ルイ」は満更、悪くもねェよな。何つったって、ほら、フランス人だからさア、オレ。あん?知らなかっただと?・・・・フランス人なんだよ。その・・・何だ・・・先祖代々さア、エスカルゴだよ主食は。もう、エスカルゴがアンモナイトだった頃から食ってたんだから、かなり古いよ〜。
そう言やあどうしてるかな、アイツら。・・・アンドレとオスカル。元気でやってるかな。
よく遊んだもんよ。・・・えっ?ベルバラ?知らねえなア・・・あ、あれか!甘いものはベルバラ?太っちまうゼ、気をつけな。

何だよ。るせェな、いいんだよ。信じられなくったって。
オレは嘘臭いのがウリの役者なんだから。

ああ・・・そうだよ。立ってねェな、最近。
一番最近舞台に立ったってのは・・・イベントの司会はともかく、役者としては・・おお、七年前じゃねェか!
我ながら驚くねェ。何の出し物だったっけ?・・・・・・・そうそう「燦めく星座 」ってェひとり芝居だった。
若かったよな、あの頃・・・・今より七歳ほど。

1人で一時間四十分。長丁場の舞台だ。
歳のせいだろうね、台詞覚えがかなり悪くなってやがる。
一ケ所でも間違えたらアドリブなんて効かなくなる。いつもとは違う。
ぴいんと張り詰めた二時間足らず。
役者として力の無いオレにとっては、綱渡りの様な緊張が続く。

それにしても、馬鹿だね。考えてもみろや・・・オレが1人で芝居やったって客なんて来る訳ねぇじゃん?無名なんだから。たくさんの人に手伝ってもらってさ、稽古の段階から本番まで本当にいろんな人の御世話になった。で、幕を開けてみりゃあ、客がいねぇなんて洒落になんねぇよな。でもそれは、充分あり得る。
リアリティってヤツが迫ってくんのよ、本番より先に。

オレは誰にも言わなかったけれど、密かに自分に言い聞かせてた。
たった1人のお客でも来てくれたら、そいつに向けて精一杯演ろうって。
ずっと長い間、役者としては生意気小僧でいたかったオレが、本当に心から、ウケなくてもいい、笑いなんて取れなくてもいい。稽古の通 りにキチンと演りとげられれば、それだけでいい・・・なんてよ、柄にも無ェ。
それよか、1人も来ない可能性の方が多いからな。ま、そうなりゃ打ち上げをして終わりだね。
そしてそれはおそらく・・・・・・現実になるだろうな。


初日の本番二十分程前、楽屋でひとり寂しくメイクにかかろうと思ってたら、受付を手伝ってくれている女の子が飛び込んで来た。
「チケット釣り銭用の小銭が無いんですゥ」 ・・・いいんだよ、客なんて来ねェから・・・との思いをグッと飲み込み「解った。オレが行って来る」と劇場の表に出たが、名古屋の中心、栄なのにコンビニも無ェ、近くのパチンコ屋は閉まってる。オレは焦ってあたりを見渡した。
遥か彼方一キロ先にパチンコ屋が見える。あそこまで歩いて戻ってきたらかなり時間かかるだろうな。時計を見た。
本番十分前。とても間に合わねェ。

そん時、とんでもない行動にオレは出た。・・・タクシーを拾ったんだよ。
運転手さんに告げる。「あそこに見えるパチンコ屋まで」「はあ?」「時間が無いのです!アソコまで行って、戻って来て下さい」「いいけど・・・この渋滞ですよ」
・・・・・・その言葉に、改めてあたりを見回したオレは驚いたよ。
名古屋のメインストリート広小路通りは、前も後ろも寸分の隙もない。ラッシュの真っ只中にオレは居た。馬鹿みてェにタクシーに乗って。
時計を見た。七分前!おわっ!ヤ、ヤバいっ!小屋に戻らなきゃ!
「すぐにUターンして、東新町の交差点で止めて下さい!」

何とか渋滞をかいくぐって走ってもらい、劇場の前でタクシーを降りて時計を見た。
五分前!い、いかん!
あわてて劇場のビルの扉を開け走り込んだオレは茫然とした。

お客さんが来てくれてた・・・。

思いもよらない出来事だった。
一瞬、今日、この劇場で別の催し物があるのかと本気で思った。
本番五分前のパニック状態からいきなり出会った現実に、オレは理性を喪失した。
次の瞬間、目の前の風景がにじんだ。お客さんの顔が見えなくなった。

あと、三分程しか無い本番前の劇場の階段を、
ホールのある三階まで登るあいだ、お客さんの間をすり抜けながら
ひとり1人の人に感謝の気持ちしか無かった。

オレが焦りや感激と本番前の不安を感じていたこの時間。
スタッフはきっとみんな焦ってるだろうな、って気が気じゃ無かったよ。
みんなを不安にさせたのア、オレの責任だ!心苦しい!申し訳ない!
オラア何だってするからよオ!
おおっと、あと一分!
飛び込んだ楽屋に何人かのスタッフの顔。ん?何で笑ってやがんだ?

ああ、やっと戻って来たか・・・じゃ、そろそろスタンバるね、
とのんびりとブースに向かう音響のAさん。
舞台監督のHが言う。Aさんがさっき言ってたと。
おいおい、客が来てんのに役者がまだ、1人も来てねェゾ!みんな、笑った笑った。わっはっ
は・・・・お、お前らア。

打たれ強く心を気遣うスタッフのやつらと沢山のお客さんに支えられたまま、
オレは三十秒でメイクを終わり、衣装を着替えて舞台の袖に立った。
泣けそうになる心を蹴飛ばしながらよ。

そして、ゆっくり一歩を踏み出した。・・・微かに揺れる細い綱の上に。



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