■七変化日記■
この日記は、才能もないまま様々な世界で遊んでいる僕が時々書く記録です。
執筆は
演劇関係役者担当■涙 銀子
作家・演出担当■るいぎんこ
音楽担当■rui★ginko.
広告業界担当■ルイギンコ
イベント業界担当■吉田さん
その他、挙動不審な人物たちがお送りする
何ら意味のない世界です。
不定期更新か三日坊主。そこんとこヨロシク!
●2006年 霜月●
●七変化日記● 11月01日分 〜 時の流れと一緒にいられた日々 〜 (03日01:17更新)
音楽担当■rui★ginko
大阪のクライアントさんからいただいたメールに書いてあった言葉。
「忙しいという言葉は心を亡くすと書くので、あまり好きではありません」
僕はこのメールをもらった日にちょうど番組があって、思わず生放送の中でもこの言葉について話したくなった。
それほど、この言葉には今さらのように心をつかまれた。 そうなんだなア、と、この時以来ずっと思ってる。
忙しく働くことが美徳のように教え込まれてきた世代だから、中身が伴ってなくても忙しく立ち働いていれば何となく仕事をしてる気になったりして。
僕も「忙しい忙しい」と言っている人はあまり好きじゃないので、自分がそう言わないように、そう見えないようにしていたはずなのに、いつの間にかしっかり忙しぶりっこをしている。
実際に時間は限られているし、自分が今、抱えている仕事の量を思うとキャパシティを超えているな、というのは歴然としている。
でも、そんな中でも悠然としていたいといつも願っている。
僕は右の耳が聴こえなくなった時に、生まれて始めて入院をした。 5年ほど前の話。
そんなに売れてる訳じゃないけど要領が悪いので仕事は満杯状態だったが、そこで突然の入院を余儀なくされたのだ。
最初の一週間は心がざわついて休まらなかった。 携帯を切っていることが不安で不安で、夕方になると病院の外の喫煙所で
たばこを吸いながらすぐに携帯の電源を入れてメールを確認していた。
たまたま入院三日目の日に、そういう状況で電源を入れると同時に携帯が鳴った。
相手は久しぶりのクライアントさんからの仕事の依頼。 それも一週間後に納品の急ぎ仕事だった。
自分が入院している事を伝えるが、相手も切羽詰まっているのが解り、とうとう僕は仕事を受けることにした。
看護婦さんに断り、入院先の病院からタクシーで自宅の仕事場へと通う日々が続いた。
九時の消灯に間に合わない時は自宅からナースステーションコールをして
「もうあと少しで仕事があがりますのでメール送信を十五分後に終え、二十五分後には病室に戻ります。すみませんすみません」と頭をさげた。
ほとんど締め切り間際のお客への電話と変わらない。 家では嫁と息子が入院しているはずの僕の姿をみて言葉を失っていた。
何とかその仕事を納品し再び入院生活に戻り、二週間目に入った時に自分の中での変化が起こった。
仕事を気にしなくなったのだ。
しても仕方ないジャン、という価値観。
それからの一週間、僕は本当に何十年ぶりかの穏やかな気持ちで時間を見つめ続けた。
退院してからもその感覚を忘れたくないなあと願ったが二週間程経過するうちに、また徐々に日々の喧噪があたりまえになっていった。
今日もおそらく僕はバタバタしていたのだろう。
でも、そのバタバタも最近は何となく昔より「夢」に近付いているような気もしてまんざらでもない。
●七変化日記● 11月02日分 〜 「伊藤若冲大全」と出会う
〜 (04日04:23更新)
音楽担当■rui★ginko
随分前のこの日記にも書いたが 日本画家の「伊藤若冲」(いとうじゃくちゅう)の画集とやっと出会えた。
先月の末に仕事をしている時、どうあってもこの人の絵が今、必要なんだ! と願いもかなわぬ
真夜中に思い立った僕は
その夜の枕を涙で濡らし、朝にはパジャマを涎で濡らしながらも目覚めた。
さっそく図書館に向かって司書のやさしそうなお姉さんに貸し出しを求めたのだが
さすがピカチュウと人気を二分するジャクチュウ!
カシダシチュウだった!
仕事の必要から図書館にゆかねば、と思っていた僕は
ちょうど 先日、予約をしておいたこの「伊藤若冲大全」が入りましたよ と電話を受け、いそいそと出かけたのであった。
彼は江戸時代の中期に京都で生まれた画家だけど、彼の作品は日本画というジャンルや時代という概念を超えて存在している。
卓抜した構図の大胆さや筆の迫力の躍動感が、僕には「絵」を超えた「宇宙」を感じさせるのだ。
彼の作風が同時代に権威のあった狩野派などからするとタブーとされていた技法を さらりと取り入れ
自分の作風として追求し続ける姿も魅力的。
でも、やはりそういう深い境地で表現する人は 「根源的なもの」への探究をするものだと再確認してしまう。
彼もやはり最初は狩野派で絵を学ぶことから始めるが、やがてそれをどれだけ極めても狩野派の領域から飛び出せないと知る。
そして狩野派の元となった中国宋元画を1000本もの模写することによって 狩野派の法を捨てる。
さらに、その中国の画家たちは「物」を見て描いているのに、自分はそれを写しているだけだと知りやがて自分が実物を見ることのできる動植物を描き始め
「鶏」のモチーフへと行き着く。
僕も本物に触れて立ちすくんだ作品。
表現するのって、若い頃は理屈やテクニックで成り立たせようとするけど
続けてゆくうちに本当はその向こうにある「本質」だけが唯一のものなのだと解る。
その本質はピュアな魂との同化を常に
求め続けている。
●七変化日記●
11月03日分 〜 図書館の時間はとろとろと 〜 (06日01:50更新)
音楽担当■rui★ginko
ブログの方にも書いたように今日は鶴舞公園にある鶴舞中央図書館に行ってきた。
名古屋市立図書館の中で、やはりいちばん大きいだけあって、専門書がきっちり分類されて多く保管されている。
この図書館ともう一つ。 名古屋に御園座という大きな劇場があり、その地下にある「演劇図書館」
ここもすごい。 確か演劇の専門図書館は日本中でここしかなかったはず。 僕はしょっちゅう入りびたっていて、職員のお姉さんたちとすっかり顔なじみだった。
芝居のホンが書けないと、ここに通っていたから顔なじみになるほどホンが書けなかったということだ。
この二つの図書館で、僕はどれだけ 「もう絶対に出会えないだろうな」と諦めていた本の実物を手にすることができただろう。
まだ、名古屋にはもうひとつ愛知県立図書館もあるけどね。
いずれにせよ専門書が読めるのがやはり図書館の重宝する部分である。とても仕事に必要なすべての本を購入するなんて不可能だもの。
図書館にいると落ち着く。
時間がとろとろと流れていて深い集中が 宇宙まで心を飛ばしてくれる。
僕の仕事場が宇宙にあればいいのに。
●七変化日記● 11月04日分 〜 母親御一行様名古屋入り
〜 (07日00:58更新)
音楽担当■rui★ginko
今日は滋賀県の実家から、母と伯母(母の姉)
そしてその孫の僕と仲良しのWAKAちゃんがやってきた。
仕事が押して朝7時頃に眠った僕は、10時にはもう陽気な笑い声で目がさめる。
家の母方の家系はいつも言っているようにラテン系。 とくに6人の兄妹の内、女性三姉妹はみんな陽気だ。
なぜか男性陣は対照的にクール。何だろね、これ。
兄妹が歳の離れた妹しかいない僕は、昔から正月などに母の実家にゆくと、次々と集まってくる叔父さんや叔母さん、そしてその結婚相手と子供たちによって
見る見る膨れ上がってゆく人口密度に感動を覚えていた。
またこれが男女比にして二分の一がしっかり陽気でよく笑う。 何だか不思議の国に迷い込んだ気がしていた。
その縮小版が今日は我が家にご登場だ。嬉しい。
前回、泊まっていった彼女達は今日は日帰り。 さっそく息子がお花の教室から返ってくるのを待つ時間に隣の「東山動物園」へ。
僕はひとり部屋で仕事。
そこに息子が帰ってくる。 うちの息子はスポーツ系は合気道。文化系はお花とピアノを習っている。
僕はそれらの作品を見るのが楽しみなので(特にお花の家元は僕の大好きな芸術家)
今日の作品を鑑賞。前衛アートなので面白い。
そうこうしているうちに御一行様が帰ってきた。 寝不足ぎみで締め切りに追われている僕はそのテンションに覚醒する思い。
今日は午後から「名古屋電気科学館」と「名古屋市科学館」でプラネタリウムを見る壮大な計画。
ぼんやりとした僕を残して御一行様とともに嫁と息子も出かけてゆく。僕はますますぼんやり。
御一行様が持って来てくれたお土産とともに、先日番組にもゲストで登場してくれた画家の「中川知洋」さんからフランス土産のワインをいただく。感激。
夕方に中川家に御礼の電話。 電話の向こうからはまたまた陽気な叔母さん(母の妹)の声。
ともくんにも御礼を言って、12月の展覧会場で会うことを約束。
何だか、何だかとっても幸せな一日じゃないか〜。
と、思って少しリフレッシュして仕事に埋没する。
陽気さは幸せを呼んで来る。うむ。
●七変化日記● 11月07日分 〜 秋空に 〜 (08日16:56更新)
音楽担当■rui★ginko
名古屋の演劇シーンの一時代を築いてこられた演出家「今井良実」氏が旅立たれた。
知り合いの女優さんからメールをいただき知った。
僕が名古屋に来た頃に「紅蓮都市」という劇団で時代をつくり、後に「草莽社」という演劇集団主宰。タレントスクール「A&Aアカデミー」設立。などなど、多くの御活躍をしてこられた。
僕は1987年の七ツ寺共同スタジオ15周年記念公演 「<1972→1987> RAINMOON」という今井氏演出の公演で、うちの劇団の役者数名、当時劇団員だった嫁が演出助手
僕は宣伝美術、及びさまざまな仕事でお世話になった。 その公演をきっかけにして仲良くおつきあいをしていただいた。
ある夜、僕がひとり癒せぬ寂しさをかかえ、自宅近くのスナックに飲みに行った時、偶然にも今井氏がカウンターにおられいつもの気さくな笑顔で迎えてくださった。
足下には愛犬がおとなしく寝そべっている。
そこで彼は実話だよ、と言って、ある家族が四国から中部地区に引っ越してきた時の話を聞かせてくれた。
その家族は引っ越しの際、どうしても家で可愛がっていた犬を次の街につれてゆくことができなかった。
仕方なく近くの人にあずけ引っ越しをすることになり、新しい街にも徐々に慣れつつ半年の歳月が流れた。
ある日、玄関に出て見ると傷付いてボロボロになった犬が尻尾を振っている。 四国に残して来た愛犬の姿だった。
犬は家族がどこに引っ越したのかも知らされないまま、自分の意志で旅に出て四国から自分の家族の住んでいる名古屋の街へ、その家を目指して旅を続けてきたのだった。
旅の途中で傷付いた体を自分で舐めては治しつつ、半年の歳月をかけて自分の家族の元に戻った彼はそこで再び家族と一緒に暮らした。
「動物には人間が忘れてしまった不思議な能力が残ってるんだね」
そう言って今井氏はカウンターの中のマスターに生卵を要求した。
「見ててごらん。生卵は立つんだよ」 そう言って彼は僕の目の前で生卵を縦に置き
何のトリックもないまま、数秒かけて立ててみせた。 テーブルの上で不思議なバランスを保っている卵を前に今井氏は語った。
「イメージすること。卵が立つ姿のイメージができると、その瞬間に可能になるんだ。僕達にはその力がほんの少しだけど残されている」
今井氏はそういってグラスを傾けた。
今でも僕はよく覚えている。
その時の今井さんの輝いていた姿を。
今井さん、ありがとう。
やすらかに。
●七変化日記● 11月08日分 〜 「rui★ginko&friends
LIVE vol.62」 〜 (10日03:49更新)
音楽担当■rui★ginko
何だか日記、遅れてるゾ! よしっ!ラストスパートだ!
昨日は頑張った。
今日も頑張った。
明日も頑張ろう!
おお、三日分も書いちゃった。
さ、遊んでないで真面目に書こっと。
今日は毎月恒例の今池 HUCK FINN FACTORYで 格調低く開催されるイベント「rui★ginko&friends
LIVE vol.62」の夜だった。
LIVEの前にらうむさんと企画会議を開いたことはブログに書いたので、もうそのことはいいとして
キムラブラザーズのもうお一方「きむやん」さんとも 久しぶりにほんの少しだけどLIVE終了後にお話ができた。嬉しかった。
あのLIVEでは僕は一応ホストなのでエレガントにふるまってます。違うちがう。
ホストなので金髪に少し憂いをふくんだスマイルです違うちがう。
ホストなので・・・。
さ、真面目に日記書こっと。
僕はいつもあのLIVEではホストなのでイベント進行のことを気にしていたり、時間を計っていたり、まあADみたいなもんだ。
そいでバタバタしてて、終わったあとにもなかなか皆さんとお話ができなくて いつも残念な思いで帰る。
でも昨日はお話もできてさらに 帰りは自宅近くまで、きむやんに車で送ってもらった。感激!
月に二回。もう60回以上の回数を数えたこのLIVEだけど
音楽の楽しみ方がいろいろある中で、こういうのもいいな。みんなありがとう。
●七変化日記● 11月09日分 〜 冬が来そう 〜 (10日04:07更新)
その他担当■ルイギン
何だかよう〜、寒くないか?と思ったらもう11月だもんな。
こういう季節は外に出かける時に何を着て出ればよいのか悩む。
マフラーってまだ早いんだっけ?
いや、高山にLIVEでrui★ginkoが行った時 夜中にお店にやってきた女の子は、9月だってエのにもうマフラーしてたゾ。
確かに山ん中で寒かった。
もう冬だったな、あれは完璧に。
そうだよ、別に決まりなんてねえんだよな。
と、思って少し厚着して出かけると地下鉄の中、無茶苦茶熱いの、あれは何だ?
時間に追われて駆け込むと額から汗が出るゾ11月なのに。
都会はそれだけ季節が乱れてるっつうことか。
住みにくくなったねエ最近、ってボヤキ日記かこれ?
こんな日記より元気の出る日記の方がいいよな。 よし!
昨日は頑張った。
今日も頑張った。
明日も頑張ろう!
決まったネ。
●七変化日記● 11月15日分 〜 少し日記休憩
〜 (15日08:01更新)
音楽担当■rui★ginko
ちょいとデザイン・イベント関係が切羽詰まってきた感じ。
金曜日ぐらいまで 日記が更新できなさそう。 ガンバってくる。
あなたも素敵な日々を。
また来るね!
●七変化日記● 11月16日分 〜 BLUE NOTEで初体験
〜 (20日00:01更新)
音楽担当■rui★ginko
いやあ〜約束した金曜日にも全然こちらにうかがうことができなくて、まあ、ホント・・・未来っつ〜のは何がどうなってるか判らんです。
という感じで久々の日記ですが、この数日は仕事場を出ないまま鬱々としつづけたよっ!
出ると言えばキッチンに行って珈琲を煎れたりトイレに行って珈琲を飲んだり、あとはとにかく目の前にぶら下がっているイベントのプランニングの仕事に没頭。
あ、違う!一度出かけたんだっけ。
16日の木曜日にBOSTON HORNSとBAKER BROTHERSのステージを聴きに BLUE NOTEに行ってた。そうそう。こういう風に忘れてしまってる。
今回はLIVEの相方JOE♀さんに 「ルイギンさん、あれ、いいっすよ」と誘っていただいて(台詞はこの通
りではなく意訳です) 久々に名古屋の中心栄に出かけたら何だか人が多くて疲れた。
はじめて行ったBLUE NOTEなので緊張して疲れた。 が!その夜、体験したステージは本当に良かった!
とくにブラスで聴かせるBOSTON HORNSは最初の一音から聴いてる側の心をかっさらう感じで、ラストの全ミュージシャン登場のスーパーセッションに向けて熱気は増すばかり。
素敵な夜だった。
その後、埼玉から名古屋にLIVEで来ておられる田代ともやさんにご挨拶のためぷらすわんに寄る。
今回、BLUE NOTEを随分前からの予定として入れていたので LIVEは体験できないが、僕の番組でも随分お世話になった田代さんに
是非とも、一言でもご挨拶を、と思ったのにぷらすわんに行ってみたらいなかった。
まあ、すぐに帰ってくると言う話だったのでそのままお店で待機。 ジョーさんとお店にいたミュージシャンのマーシー田中氏と
最近、練習をさぼりつつある僕の歌の下手さ加減とエントロピー概念の関係について
とことん話し合ってみた。疲れただけだった。
そこに田代氏と今夜のLIVEのゲストさかうえけんいち氏が帰って来て、ステージも終わりすっかり夜中なのにMCのような軽快なテンポの会話。
疲れる。が、面白かった。が。田代さんに約束していた、番組に登場していただいた時の爆笑ビデオをDVDにして送ると言う僕の使命。
すっかり遂行したつもりでいた勘違いを 御本人から教えてもらい焦った。
この夜は久々にたくさんの人と出会い、あらためて世の中にはこんなにたくさんの人々がいたんだなあ、とおもいました。まる。
●七変化日記● 11月17日分 〜 仕事に戻る
〜 (20日00:01更新)
作家・演出担当■るいぎんこ
昨日、夕方からのほんのひととき、街に出て人々と語らった私であったが、まだ仕事はぜ〜んぜんすすんでいなかった。
と、ひらがなばかりになるほどビビッている私である。 で、今日は何をしたんだったかな?
ふむ。・・・忘れてる。
おおおっ!お、思い出した!
見事に一日中、パソコンの前で苦しんでいたが 一文字も一行も書けず。
途中、イベントの台本を根底から見直そうかと思う程、心底迷いつつ、寝転んだり起き上がったりピザトーストを作ったり珈琲をこぼしたりしつつ・・・はかなくも一日が過ぎたのであった。
記憶にとどめることすら私自身が拒んでいるらしい。
夜は、もう寝よ、と思って寝た。
これぐらいしか覚えていない。
しかし苦しい一日だった。
●七変化日記● 11月18日分 〜 再会に乾杯! 〜
(20日00:01更新)
音楽担当■rui★ginko
今日も朝からプランニング。 昨日一日、つぶしたので今日はもっと焦って考えに考えた。
かんがえればかんがる〜ほど有袋離脱してどこかに子供を置き忘れそうなくらい訳の判らない一日を過ごした。
アタマの中でものすごく焦っていても 傍目からはのんびりしているようにしか見えない。
まして!会社にも勤めず満員電車に揺られることもなく、朝、眠りから醒め十五歩歩いたら仕事場に着くような生活をしている僕は、確かにのんびりしている、と自分でも思う。
しかし、心は焦っていた。 しめきりがあるからさ。
というような時間を過ごしつつ、頭脳労働を筋肉労働のように解釈し力技で仕事を進めた。
夜にはぷらすわんに大切なお客さまが来られる予定。 できれば、少しでも早く仕事を終えて行きたいが、もしもプランがある程度まとまらなければ、それも無理。
何とか出かけてもよさそうなところまで漕ぎ着け、すぐさまタクシー。
お客さまはジョーさんのお友達とその御友人。
番組では最終回に向けて毎週、書き込みをいただき
先月の僕のLIVEの日には、京都で6時までご用事があったにもかかわらず 名古屋7時スタートの僕とジョーさんのステージに駆け付けるという、西村京太郎氏も頭を抱える難関にチャレンジしてくださった方たちなのだ。
これほどまでの方たちに今夜、僕が会いに行かずして何としよう、ってなもんだ。
10時過ぎにぷらすわんに着き、お二人とお会いできて良かった〜!
夜中にはそぐわない僕のやかましい歌も聴いていただき、再会を約束してお別れしたのでした。う〜ん、よかった。
で、夜中1時半ごろ帰って来てまた仕事。
ずっと二ヶ月近くかかって作っていた アミューズメントのお店のテーマソングの仕事。
夜中から明け方にかけてトントンとできちゃった。
あんなに苦しんできた日々は何?と思うけれど 創作の仕事は何でもそう。
意味もなく苦しんできたかのような期間にその中身はほとんど形を成している。
意味がないどころか、何もせず悶々としている時間の中にこそ 未来の完成品がすでにあるんだなあ。
でも、産み落とすタイミングが大事。
それがある時、突然にやってきて、その時は 他の作業もリンクして次々とインスパイアされる連鎖が起こる。
こういう時が一番楽しい。
結果、朝9時まで作業。 今日は3時から芝居を観に行く予定なので家族に目覚ましをお願いして眠る。
●七変化日記● 11月19日分 〜 劇団avecビーズ公演「Going'
Home」 〜 (20日00:01更新)
音楽担当■rui★ginko
先月、名古屋の劇団てんぷくプロ第33弾公演 「おばあちゃんには手を出すな〜紅白殺人合戦〜
」(作・北村想)を見に行った。
このお芝居は僕も北村想さんの劇団に入っていた時、初演に出演させていただいた作品だ。
当時、この初演は大曽根の鈴蘭南座という芝居小屋で 正月の1日、2日、3日の三が日(1月1日から本番って!)の公演。
内容はこんな感じ。-------おばあちゃんの趣味は殺人。それに閉口した一家が 暗殺者集団におばあちゃんの殺害を依頼。ナンセンスギャグ満載の仁義なき殺人合戦の幕開けという、正月早々スバラシイ内容の芝居。客席は連日超満員という公演だった。
この数年、音楽やイベントや番組ばかりやっていて、芝居を観にゆく機会も減ってしまった僕は、久々に先月、この芝居の再演を観て感激した。
ホクホクして帰ろうとしたら久しぶりにたくさんの演劇関係の友だちに会えた。 そこでまた感激。
その中に二人の女優さんがいた。
金原祐三子さんと中島由紀子さん。
今日は彼女たちの劇団avecビーズの公演を体験したくて雨の中 名古屋市千種文化小劇場までジョーさんと行ってきた。
(只今、ジョーさんお芝居鑑賞月間)
今日の作品は「Goin'Home〜遠まわりして帰ろ〜」(作・演出/北村想)
ギリギリになってしまった僕達は、ロビーで行われていた想さんのコンサートに間に合わなかった。残念。
ちょうど聴き終わったお客さまたちと一緒に劇場内へ。
途中、想さんが歌っていたと思われるマイクスタンドに マジックで「前座」と書いた紙が貼ってあったのが僕を幸せな気分にしてくれた。
今回のお芝居は日本国憲法が取り上げられている。
想さんと憲法との距離の観客に感じさせる見せ方が面白い。
さらにドラマそのものから演じられつつある時空間までの距離や、多重構造の演劇的状況の見え方も。
ロジックとトリックの鬼ごっこのような仕掛けがほどこされる中、一気にラストイメージへと飛翔する世界は素敵だった。
終演後、また久しぶりに会えた人たちいっぱい。
出演者の神戸浩氏や木村庄之助氏とも本当に久しぶり。嬉しかったなあ。
また、明日も楽しく生きようと思った。まる。
●七変化日記● 11月30日分 〜 劇団B級遊撃隊公演「青空プリズン」
〜 (02日01:18更新)
音楽担当■rui★ginko
午前中、アミューズメントの仕事の打ち合わせ。午後からそのまとめと制作。
夜には劇団B級遊撃隊公演「青空プリズン」を見に行く予定の一日。
お芝居を見るのはジョーさんとマーシー田中氏と一緒。待ち合わせは6時半に末盛交差点、って交差点かよ!
高校生じゃ無いんだけど、まあ、いいや。寒そうだな。
僕はギリギリまで仕事だったので、五分前に慌てて家を飛び出し、命がけでタクシー拾い一分の遅刻。
末盛交差点ってのは自宅のすぐ近くなので 車に乗る程じゃ無いんだけど。
タクシーの中で電話がかかってくる。相手はマーシー田中氏。10分ほど遅れますと恐縮の御様子。
交差点についてジョーさんの姿が見えないので電話をかけたら、彼女も「今、タクシーの中です。もうすぐ着きます」との事。
俺たちって・・・。
三人そろってB級の公演を体験。
アトリエ公演で密度の濃い時空が展開された公演だった。
久しぶりに役者・佃典彦氏を見る。
今年第50回岸田國士戯曲賞を『ぬけがら』で受賞した劇作家としても演出家としても大活躍の佃氏。どの仕事も高いクオリティで好評を得ている。
僕は役者としての彼の仕事に出会うのを いつも楽しみにしていた。
このところ自分が演劇から離れていたので、今夜は本当に久しぶりに役者としての佃氏も体験できて嬉しかった。
帰りに目があって「おっ、久しぶり」と笑ってくれた。「客席に金髪。誰だこれは、と思っていたらTAKUさんか」
(僕は演劇の友達からはTAKUと呼ばれている。)
お客さまの送り出しで忙しそうなところを少しお話をしてくれて、ジョーさんとマーシー田中氏を紹介して帰途に着いた。
演劇も音楽も表現を続けている人たちが まわりにたくさんいる。
僕はその近くで息遣いを感じられる自分がつくづく幸せだと感じる。
★★★先月の七変化日記はこちら★★★
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